総合社会学部の教育方針
総合社会学部
ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)
総合社会学部では、本学の建学の精神と教育の目的に即して、多様な視点から現代社会が直面する複雑な問題群を理解するために、人々の心的活動や行動(心理学)、社会の仕組や構造(社会学)、環境と社会の関係(環境学)という視点の異なる学問分野を連携させた教育・研究を行います。1つの学問分野から個別に研究するのではなく、ミクロな視点(心理)からマクロな視点(環境)まで、広範にわたる学問分野の研究を集結し、多様な見方を総合化していくことで初めてその本質が見えてきます。本学部では、複雑化した現代社会の問題群に1つの組織として総合的に取り組み、グローバル化にも対応した新しい社会システムの構築に関心を寄せる人材を育成します。具体的には、以下の諸項目です。
- 1.
- 複雑化した現代社会の問題群を総合的に捉えることができるような広い教養を身につけるとともに、ローカルな視点とともにグローバルな視点を持ち、多様な文化のあり方や成り立ちの理解を深めます。
- 2.
- 具体的な社会問題にアプローチするそれぞれの専攻の学問分野について、基礎的な知識・技能を身につけます。
- 3.
- 自専攻以外の学問分野についても理解を深め、人間・社会と環境の関係を総合的に考察する力を身につけます。
- 4.
- 専門分野の学修を通じて、人間の行動や社会について論理的思考や科学的視点を身につけます。
- 5.
- 様々な言語やメディアを使いながら、自らの意見や考えを表現し、他者との相互理解を深めるような発信力を高めます。
- 6.
- 実学教育の目的のもと、身につけた知識や技能・態度を用いて、自ら見出した社会的課題を総合的に分析し、問題提起や解決に向けての提言などができる力を身につけます。
- 7.
- 「人に愛され、信頼され、尊敬される人」として、社会問題の解決や生活の質的向上のため、自らのキャリアや社会的役割を認識したうえで、生涯を通じて自律的に思考・判断し、行動する力を身につけます。
これらの趣旨のもとに開講された科目を履修して、所定の単位を修得した学生に対し、卒業を認定し、学士(総合社会学)の学位を授与します。
カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成方針)
総合社会学部では、ミクロな視点からマクロな視点、ローカルな視点からグローバルな視点まで、多様な見方を総合化していくことで、複雑化する社会問題を同定し、問題の解決や、よりよい社会の構築に対して提案できるような人材の育成を教育の到達目標として、厳格な成績評価により教育課程を運営しています。ディプロマ・ポリシーに沿って、以下のようなカリキュラムを設置しています。
ディプロマ・ポリシー1の達成のために、「人間性・社会性科目群」、「地域性・国際性科目群」、「学部基礎科目群」といった「共通教養科目」を置き、特に、人間の責務としての教養とグローバルな視点を養成することに重点を置いています。また、外国語の学修を通して、文化の多様性について考え、多文化社会に柔軟に対応する力が養われます。
ディプロマ・ポリシー2の達成のために、多様なものの見方を総合化していく力に必要な、各学問分野における基礎的な知識・技能を学びます。それぞれの専攻では体系的な科目を段階的・連続的に配置しており、入門的な各種概論や基礎的方法論を学ぶ「専門基礎科目」から、より細分化・高度化した各種学問科目からなる「専門発展科目」へと進んでいきます。
ディプロマ・ポリシー3の達成のために、「総合社会学概論」や「総合社会学演習」といった、自専攻以外の領域の基礎を学ぶ「学部コア科目群」を配置しています。これらを1年次配当の必修科目としており、すべての学生が早い段階で、心理-社会-環境からなる3つの視点や研究スタイルに触れ、総合的考察の基礎を身につけます。また、他専攻の学生も履修できる「他専攻科目」が選定されており、自らの専門以外についてもより深く学び続けることができる制度を設けています。
ディプロマ・ポリシー4の達成のために、共通教養科目として「課題設定・問題解決科目群」を置いており、論理的思考の基礎を身につけます。また各専攻には文献講読、資料分析、データ分析などに関わる科目を置き、人間の行動や社会、環境を見る際に必要な科学的態度が養われます。
ディプロマ・ポリシー5の達成のために、1年次の「近大ゼミ」を皮切りに、各専攻では少人数で行われる演習科目を多く置いています。読み、書き、発表、議論のしかたの基礎を学び、互いに自分の意見を表現し合い、相互理解のための議論が奨励されます。また、外国語科目では、「コア科目」と「基礎科目」および「応用科目」を体系的に配置し、系統性のある学修によって読む・書くに加え、聞く・話すといった様々な言語による自己表現力が高まります。これらの科目では、表現内容を洗練させていくことに加え、様々なメディアを使った表現方法のスキルが向上します。
ディプロマ・ポリシー6の達成のために、すべての専攻の学生は、上記のような学修を経て、大学での学びの集大成として、「卒業論文・卒業制作」を仕上げます。3年次から「演習」または「卒業研究ゼミナール」が始まり、2年間をかけて自らが見出した社会的課題にじっくりと向き合い、文献講読、調査、実験、フィールドワークなどを駆使して、問題提起や提言に挑みます。その間、各専攻で定められた手続き(中間発表、成果発表など)を経て、最終的に評価基準に沿って、その成果を確認します。
ディプロマ・ポリシー7の達成のために、社会の一員としての意識や態度を高めることを目的として、将来の社会貢献について考え、その準備を進める機会をもちます。
以上のようなカリキュラム・ポリシーに沿って配置されている各科目について、シラバスに評価基準を明記し、それに沿った適切な評価方法により、成績評価を実施しています。
アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)
ディプロマ・ポリシーに示したような人材の育成を目標として、総合社会学部では、次のような入学者を受入れます。
- 1.
- 大学での学びに展開できる確かな基礎学力を持った人。
- 2.
- 様々な社会問題や人間行動に関心を持っている人。
- 3.
- 新たな社会のあり方について関心のある人。
- 4.
- 自律的に課題を見出し、論理的・科学的に考えるための素地がある人。
なお、高校までの科目履修等によって以下のような能力を身につけていることが望まれます。
国語
論理的・構造的に思考するための読解力・表現力が身についている
地歴・公民
日本及び世界の情勢や地域特性について総合的に理解している
数学
データ等を用いて論理的・客観的に思考できる基礎的素養が身についている
外国語
基礎的な技能(読解能力、作文能力と会話能力)と語彙力が身についている
総合社会学部 総合社会学科 社会・マスメディア系専攻
ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)
社会・マスメディア系専攻は、実学教育と人格の陶冶という建学の精神、ならびに「人に愛される、信頼される、尊敬される人材を育成する」という教育の目的に則り、21世紀のグローバル化・成熟化・複雑化する新たな社会環境のなかで、たくましく主体的に生きる市民・人材の育成を目指しています。そのため、人が創り出したさまざまな仕組み=「社会」を理解し、激動期の現代社会を見据える基礎的能力を修得することを、学生の卒業要件としています。
具体的には以下に示されています。
- 1.
- ローカル/ナショナル/グローバルというさまざまなレベルで生じている出来事や事件、多様な文化のあり方や成り立ちに関心をもち、幅広い教養を身につけます。また、社会やメディアに関する基礎的な知識・技能を身につけて、現代社会に生じている問題事象を的確に把握し、自分自身の問題として主体的に考え、独自の考え方を構築する力を養います。
- 2.
- 「自然・常識=変更不可能なもの」とのみ捉えるのではなく、「社会=人間の手で変更可能なもの」に読み替えることにつとめることで、社会に存在するさまざまな問題を「(自分たちによって)変えられる」という意識をもち、他専攻の学問分野の理解も深めることで、総合的な考察・判断ができる力を養います。地域社会、国際社会、メディアの領域の中で生じている課題や問題を的確に把握し、自ら見出した社会的課題について適切な情報収集・分析を行い、論理的な思考展開が図れるようにします。
- 3.
- 多数意見に流されず、自らの意見や考えを明確に表現し、他者とのコミュニケーションを通じて相互理解を図る能力を身につけ、問題提起や解決に向けての提言などができる力を育てます。直感や常識に頼るのではなく、「証拠(evidences)」を重視しながら、科学的態度に基づく方法を用いて分析する力を養います。社会に関して、自身が有する知識を、他者が理解可能な形で提示でき、また、そのためにさまざまな言語やメディアを使うなどして、適切な表現法(レポート、論文、口頭発表、ポスターなど)を身につけ、発信力を高めます。
- 4.
- 地域社会、国際社会、メディアの領域の中で生じている課題や問題を理解するために必要な基礎的な知識・技能を身につけます。「知識」を、批判することそれ自身を目的として用いるのではなく、他者と協力し、物事を建設的に解決するための手段としてとらえ、それを活用して自律的な思考・判断の上で行動する力を身につけます。
- 5.
- 現代社会コースでは、地域コミュニティから国際社会にいたるまで社会関係やコミュニケーションについての理解を深め、それらを大きな構造との関係において考察し、さまざまな社会問題の解決につながる提案などができるような力を身につけます。
マスメディアコースでは、地域社会や国際社会をめぐって自身が有する知識を、他者が理解可能な形・言語で発信できる力を養います。情報を伝える媒体が常に進化・変化していることを理解し、旧来のもののみにこだわらず多様な媒体を用いて、社会変化に貢献するような情報発信ができる力を培います。
カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成方針)
社会・マスメディア系専攻は、21世紀のグローバル化・成熟化・複雑化する新たな社会環境のなかで、たくましく主体的に生きる市民・人材を育成することを目指しています。そのため、ディプロマ・ポリシーに掲げたとおり、1 さまざまな社会問題に関心をもち、主体的・意欲的に考える態度を身につけるとともに、2 しっかりとした思考力・判断力を身につけることが不可欠です。さらには、3 エビデンスを重視し、科学的な方法を用いて分析する技能力、さらにはコミュニケーションを通じて相互理解をはかる上で不可欠な表現力を伸ばします。その前提として、4 社会を理解する上での基礎的な方法を身につけることが重要です。それぞれのディプロマ・ポリシーの達成を目指した教育課程をおいています。
- 1.
- ローカル/ナショナル/グローバルというさまざまなレベルで生じている出来事や事件に関心をもち、主体的・意欲的に考える態度と幅広い教養を身につけるために、「外国語科目」と「共通教養科目」に加え、「専門基礎科目」として社会学やメディア等に関する概論的な科目を配置しています。また、問題事象に直接触れる機会も重要であることから、社会調査に必要な方法論を学ぶ科目など、実践を重視した「専門基礎科目」も設置されています。社会事象についての関心を広げ高めるために、「専門発展科目Ⅰ」に「生活理解群」、「社会理解群」、「国際理解群」、「メディア群」、「方法論群」を設け、それぞれで多様な科目を配置しています。
- 2.
- しっかりとした思考力・判断力を身につけるために、学生・教員の相互作用を活発に行うことが可能な少人数制の演習形式の授業を、1年次には「共通教養科目」にある「近大ゼミ」として、2年次には「基礎講読」として、3年次・4年次には「演習」として配置しています。また、「学部共通コア科目」を1年次必修科目として、社会・心理・環境という3つの分野におけるさまざまな学問領域を扱う科目を履修することで、総合的考察力が養成されます。さらに「専門発展科目Ⅱ」において、地域社会、国際社会、メディアの領域の中で生じている課題や問題について学び、自ら見出した社会的課題を「演習」を通じて深め、「卒業論文・卒業制作」として4年間の学びの仕上げをします。
- 3.
- コミュニケーションを通じて相互理解をはかる上で不可欠な表現力を育成するために、社会におけるコミュニケーションの在り方に関する理論を学ぶ科目を配置するとともに、各学年において少人数クラスによる「演習科目」を置き、実践的にコミュニケーション力を高めていきます。さらに「専門発展科目Ⅱ」に「卒業論文・卒業制作科目群」を設け、少人数の演習形式で学生と教員とのコミュニケーションが取りやすい環境のもとで表現力を磨きます。また、「専門基礎科目」に置かれている「フィールドワーク」や「社会調査法」では、コミュニケーション力の向上とともに、エビデンスを重視し、科学的な方法を用いて分析する技能を高めます。さらにはこれらを基礎としてより発展的に技能・表現能力を身につけられるように、「専門発展科目Ⅰ」に「方法論群」を設けています。
- 4.
- 社会を理解する上での基礎的な知識・方法を身につけるために、「共通教養科目」に加え、「専門基礎科目」および「専門発展科目」として「生活理解群」、「社会理解群」、「国際理解群」、「メディア群」、「方法論群」を配置し、社会学を中心にしながらそれに隣接する領域も含めた諸理論を学ぶ機会を豊富に設けています。これらの科目群の科目を履修することで、社会事象を論理的・総合的な観点から分析する力が養成されます。
- 5.
- 3年次からは、現代社会の分析に力点を置く「現代社会コース」、メディア研究に力点を置く「マスメディアコース」の2コースに分かれ、それぞれでより専門的な科目を「専門発展科目Ⅱ」として開講しています。現代社会コースでは、現代社会に対する分析力を身につけるために、「コミュニケーション論」、「情報社会とネットワーク」、「都市・地域論」、「グローバル化とコミュニティ」などを、マスメディアコースでは、メディア研究を深めるために、「メディア・コンテンツ論」、「芸術メディア論」、「マスメディア特講」などを開講しています。
アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)
社会・マスメディア系専攻では、グローバル化・成熟化・複雑化する現代社会の諸課題を見極め、歴史的転換期を生き抜く人材の育成を目指しています。そのため、既存の社会のあり方を見つめ直し、自身の住む地域社会や国際社会のなかで課題や問題を掘り起こし、そこで得られた知見を幅広い人々に発信できる能力を養成します。この目標を実現するために、本専攻では、「一体、現代の世界、社会はどうなっているのか?これからどうなる?」という、素朴な疑問や関心をもつ人々を広く求めます。具体的には、下記のような人材を求めます。
- 1.
- さまざまな社会問題(移民・エスニシティ、ジェンダー、都市・地域、市民活動・NPO、教育、家族・親密圏など)や社会科学(社会学、人類学、言語学など)について幅広く関心がある人。
- 2.
- インターネットやコンピュータの急発達から生まれた社会現象、現代文化に興味がある人。
- 3.
- メディア業界、急速なメディアの変容に興味がある人。
- 4.
- 情報網や高速移動手段の変化がもたらした新たな国際関係や民族問題に興味がある人。
なお、高校までの科目履修等によって以下のような能力を身につけていることが望まれます。
国語
論理的・構造的に思考するための読解力・表現力が身についている
地歴・公民
日本及び世界の情勢や地域特性について総合的に理解している
数学
データ等を用いて論理的・客観的に思考できる基礎的素養が身についている
外国語
基礎的な技能(読解能力、作文能力と会話能力)と語彙力が身についている
総合社会学部 総合社会学科 心理系専攻
ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)
本学の建学の精神および教育の目的のもと、心理系専攻では、グローバル化した現代社会を多様な視点から捉え、その中で生きる人の行動や心について社会的課題を自律的に見出し、問題提起や解決に向けての提言を行うことのできる人材の育成を目指します。そのために必要な論理的思考や科学的態度、そして広い教養と心理学に関する専門的な知識や技術を身につけた学生に対し学位を授与します。卒業までに身につけるべき資質・能力を以下に示します。
- 1.
- 幅広い教養に基づき、多様な文化のあり方や成り立ちを理解し、社会や文化というより広い文脈の中で人の行動や心についての問題を位置づけるための視点を身につけます。
- 2.
- 人間の行動や心について、「知る」、「考える」、「感動する」、「おもしろがる」というような知的好奇心と関心を持ち、生涯にわたって自律的に思考・判断し、主体的に学び続ける態度と行動力を身につけます。そして、実学教育の目的のもと、グローバル化した現代社会が直面する問題・課題を自ら見出し、「人に愛され、信頼され、尊敬される人」として、多面的かつ論理的に解決に向けて提言する力を身につけます。
- 3.
- 心理学分野における幅広い知識・技能と、論理的思考や科学的態度を身につけ、行動や心について、心理学的な方法論を用いて総合的に分析・考察し、理解する力を身につけます。
- 4.
- 設定された課題について自ら問題を提起し、研究計画を立案し、実証的な方法で調査・研究し、得られた結果を総合的に考察することができ、それらを様々な言語やメディアを駆使して文章で表現したり、口頭で報告したりできる発信力を身につけます。
これらの趣旨のもとに開講された科目を履修して、所定の単位を修得した学生に対し、卒業を認定し、学士(総合社会学)の学位を授与します。
カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成方針)
心理系専攻では、人の行動や心について、幅広く、かつ多様な視点からとらえる基礎力を養い、研究のために必要な科学的方法や態度、心理的な知識や技術を身につけるために、「共通教養科目」、「外国語科目」、「学部共通コア科目」、「専門基礎科目」、「専門発展科目」、「実習科目」、「演習科目」を段階的に配置しています。
ディプロマ・ポリシー1の達成を目的として、1年次から開講される「共通教養科目」を履修することで、心理学以外の様々な学問分野を広く網羅した一般教養が身につきます。「外国語科目」における語学の学修を通じて、多様な文化についての理解が深まります。また、1年次に開講される「学部共通コア科目」では、心理-社会-環境からなる3つの視点や研究スタイルに触れることで、グローバル化した現代社会を多面的に理解する基礎が培われます。
ディプロマ・ポリシー2の達成を目的として、1年次には「近大ゼミ」と「総合社会学演習」、2年次には「心理学研究基礎」、3年次および4年次には「演習」など、プレゼンテーションやディスカッションを取り入れた少人数での「演習科目」を配置しています。これらの科目により、自ら課題を見出し、様々な問題に関心と好奇心を持ち、自律的に思考・判断し、意欲的・主体的に学ぶ態度と行動力、自らの意見や考えを表現する発信力が培われます。
また、心理系専攻では、国家資格である公認心理師の受験資格の取得に必要な科目が配置されています。これらの科目に主体的に取り組むことで、臨床心理学についての専門的知見とさまざまなアセスメントや支援の方法についての知識・技能が身につきます。グローバル化した現代社会に生きる人々が抱える臨床心理学的問題・課題に対し、解決に向けての提言を多面的・理論的に行うための基礎が培われます。
ディプロマ・ポリシー3の達成を目的として、心理学における専門領域を幅広くそろえ、それらを段階的に配置しています。1年次では、心理学という分野を、その周辺領域との関連とともに網羅的・俯瞰的に学ぶことを目的とした概論系の「専門基礎科目」が、2年次からは、基礎心理学、応用心理学、臨床心理学の各分野についてより高度な知識を学ぶことを目標とした「専門発展科目」があります。これらの科目を主体的に学ぶことで、行動や心についての専門的知識が十分に身につきます。また、1年次から、心理学における研究法・統計法や実験・実習を学ぶ「専門基礎科目」が段階的に配置されています。これらの科目では少人数クラスで実験方法、データの分析、レポートの作成、アセスメントを個別に指導します。これらの科目における学修を通じて、行動や心を論理的かつ科学的に研究・分析する態度と心理学的方法論が身につきます。
ディプロマ・ポリシー4の達成を目的として、上記のような学修を経て、3年次からの「演習」では、少人数クラスでの2年間の指導のもと4年次に「卒業論文」を作成し、研究成果を発表することに主体的に取り組みます。「卒業論文」では、4年次前期に構想発表会を行い、そこで卒業論文として取り組む研究テーマについて、その背後にある先行研究の理解、それらの中での研究テーマの位置づけと独創性、研究をするにあたって用いる研究デザインが適切であるかが評価されます。さらに、「卒業論文」では、決められたフォーマットに従って論文にまとめる能力、および実験・調査方法、得られたデータの分析方法、分析結果の解釈とそれに基づく議論がそれぞれ適切であるかが評価されます。また、卒業論文提出後には卒業論文発表会および口頭試問が行われ、研究内容を発表し、質疑応答を適切に行う能力が評価されます。このように、卒業論文を作成する過程では、幅広い知識を基に自ら問題を発見し、心理学的な方法論を用いた研究計画を策定し、それらを文章で表現し、また口頭で報告し、議論するといった高いレベルの能力と発信力が身につきます。
アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)
心理系専攻では、大学の学びの中で展開できる確かな基礎学力と倫理観、及び行動や心について知的好奇心を持った人材を求めます。
- 1.
- 幅広く教養を身につけるために必要な日本語及び英語の読解能力・表現力を備えた人。
- 2.
- 専門的な知識に基づいて、多様な視点から、行動や心について自ら課題を発見し、主体的に学ぶために必要な、幅広い見識を持つ人。
- 3.
- 実証的な方法で行動や心についての問題を探求する方法を学び、専門的知識・技術・科学的態度を身につけ、それらを柔軟に適用し、社会の幅広い分野で活躍するために必要な、論理的・構造的思考力を持つ人。
なお、高校までの科目履修ないし入学までの事前学習等によって、以下のような能力を身につけていることが望まれます。
国語
論理的・構造的に思考するための読解力・表現力が身についている
地歴・公民
日本及び世界の情勢や地域特性について総合的に理解している
数学
データ等を用いて論理的・客観的に思考できる基礎的素養が身についている
外国語
基礎的な技能(読解能力、作文能力と会話能力)と語彙力が身についている
総合社会学部 総合社会学科 環境・まちづくり系専攻
ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)
環境・まちづくり系専攻では、本学の建学の精神と教育の目的に即して、厳格な成績評価のもと所定の単位を修得し、卒業研究を通して環境づくりやまちづくりに対して総合的に取り組む能力を身につけた学生に卒業を認定し、学士(総合社会学)の学位を授与します。卒業までに身につけるべき資質・能力を以下に示します。
- 1.
- 社会を広く理解し、深い思考ができるための教養を身につけます。
- 2.
- 社会における多様な文化のあり方や成り立ちについての知識を身につけます。
- 3.
- グローバル化に対応し、国際的な活躍ができるよう、外国語を活用できる能力を身につけます。
- 4.
- 総合的なまちや地域のあり方について、基礎的な知識を身につけ、それを実践に結びつける力を身につけます。
- 5.
- 社会に対して広く関心を持ち、よりよい社会づくりに向けて能動的に行動できる能力を身につけます。
- 6.
- 収集した情報について論理的思考や科学的視点から適切な評価を行い、活用できる力を身につけます。
- 7.
- 地域や社会で起こっている問題事象を的確に把握し、解決への提案ができる力を身につけます。
- 8.
- 対話を通じて他者を理解し、自らの考えを他者にわかりやすく伝えることができるコミュニケーション能力を身につけます。
- 9.
- 様々な言語やメディアを使いながら、文章で表現したり、口頭で報告したりできる発信力を身につけます。
- 10.
- 多様な価値観を受容し、合意形成に向けて努力する能力を身につけます。
- 11.
- 多様な人々と活動できる能力を身につけます。
- 12.
- 自らが見出した社会的課題について、適切な情報収集・分析を行い、論理的な思考を展開する力を身につけます。
- 13.
- ネットワーク社会にふさわしい社会システムを提案し、実践ができる力を身につけます。
- 14.
- 協働の精神や手法を身につけ、ネットワーク構築を実践するための能力を身につけます。
- 15.
- 自らのキャリアや社会的役割を認識したうえで、目標を設定し、生涯にわたって自律的に思考・判断し、行動する力を身につけます。
- 16.
- 環境問題の解決やよりよい社会づくりに貢献するための利他的な姿勢を持つことで「人に愛され、信頼され、尊敬される」人格を形成します。
カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成方針)
環境・まちづくり系専攻では、ディプロマ・ポリシーの達成を目的として、学生が体系的に学習できるよう、「共通教養科目」、「外国語科目」、「専門科目」を次のように配置します。「専門科目」は、専門においても広い視野で学習できるよう「概論」、「社会システム分野」、「特別講義」を設け、分野ごとに知識を身につけるために「都市・地域分野」、「自然環境分野」、「環境政策分野」、「地理情報分野」に分けて体系化を図ります。また、「調査論」、「演習」、「卒業研究ゼミナール」、「卒業論文」によって、環境・まちづくりの情報を的確に収集・分析し、問題解決を図る能力が養われます。
ディプロマ・ポリシー1を達成するために、1年次から開講される「人間性・社会性科目群」、「地域性・国際性科目群」、「学部基礎科目群」といった「共通教養科目」、「概論科目」、「特別講義」、「社会システム分野」の科目をおき、様々な学問分野を広く網羅した教養を身につけることで、ローカルな視点からグローバルな視点で思考する能力が養われます。
ディプロマ・ポリシー2および3を達成するために、「外国語科目」を履修することで、ローカルな視点とグローバルな視点から文化の多様性について考え、多文化社会に柔軟に対応する力が養われます。
ディプロマ・ポリシー4を達成するために、「概論」、「都市・地域分野」、「環境政策分野」科目で知識から実践まで一貫した能力が養われます。「専門科目」は、専門分野ごとに知識を身につけるため、「都市・地域分野」、「自然環境分野」、「環境政策分野」、「地理情報分野」に体系的に配置しています。
ディプロマ・ポリシー5を達成するために、自専攻以外の専門領域の基礎を学ぶ「学部共通コア科目」から環境-社会-心理からなる3つの視点や研究スタイルに触れ、「特別講義」、「概論」、「環境政策分野」科目を学習することで、多角的な視野で考察し、行動できる力が養われます。総合的な学びから多様な見方を総合化することで幅広い視野と知識が養われます。
ディプロマ・ポリシー6を達成するために、「調査論」、「地理情報分野」科目で段階的に情報収集・分析能力を、また「環境政策分野」科目や「卒業研究ゼミナール」で論理的な問題解決能力が養われます。
ディプロマ・ポリシー7を達成するために、「都市・地域分野」、「自然環境分野」、「環境政策分野」の科目で事象の理解を深め、「地理情報分野」、「調査論」科目や「演習」で情報を収集・分析し、問題の解決を提案する能力が養われます。
ディプロマ・ポリシー8および9を達成するために、初年度の「近大ゼミ」から「演習」まで、課題作成や発表・討論を通じてコミュニケーション能力を高めます。
ディプロマ・ポリシー10を達成するために、「演習」におけるグループワークを通じて他者の意見を聞くなかで多様な価値観を受容し、自分の意見の変容や意見調整を図る能力が養われます。
ディプロマ・ポリシー11を達成するために、「演習」などのグループワークを実施する科目により相互理解から合意形成への重要性を学習することで、チームワーク力やリーダーシップ力、ファシリテーション力が養われます。
ディプロマ・ポリシー12を達成するために、「地理情報分野」、「調査論」科目で情報収集・分析能力を用いて、「環境政策分野」科目や「卒業研究ゼミナール」、「卒表論文」で自ら設定した問題に対して論理的に解決する能力が養われます。
ディプロマ・ポリシー13を達成するために、「社会システム分野」、「都市・地域分野」科目を学ぶことを通じて、ネットワーク社会やその対応策に関する知識を身につけ、社会構築ができる能力が養われます。
ディプロマ・ポリシー14を達成するために、「社会システム分野」、「都市・地域分野」科目を学ぶことを通じて、協働やネットワークによるまちづくりに関する知識を身につけ、まちづくりを実践する能力が養われます。
ディプロマ・ポリシー15を達成するために、ボランティアや現場での実習を取り入れた科目から、社会の一員としての意識や態度を高め、社会の中での学びを通じて、協働の精神や手法を身につけ、自らの社会的役割について考える力が養われます。また、「卒業論文」の作成過程を通して、自律的に行動し、生涯学び続ける力が養われます。
ディプロマ・ポリシー16を達成するために、「卒業研究ゼミナール」、「卒業論文」を通じて社会的課題に取り組むことで、環境問題の解決や、よりよい社会づくりに貢献するための利他的な姿勢を持ち、生涯にわたって自律的に思考・判断し、行動する力が養われます。
アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)
環境・まちづくり系専攻は、具体的なまちや地域を対象に、持続可能な社会づくり・環境づくりのための知識や技術を学習します。地理学、環境情報学、都市・地域計画学、環境政策学を援用しながら、具体的な地域を対象として、文化や産業・社会・環境といった地域特性を調査・分析、環境に配慮し、元気が持続する地域づくりに生かしていきます。また、都市・地域計画学や環境政策学の知識を活用しながら、持続可能なまちづくり・環境づくりを推進するための計画・政策をつくる能力を養います。
このため環境・まちづくり系専攻では、公共心や知的好奇心を持った以下のような人材を求めます。
- 1.
- まちづくりや環境政策等によって、よりよい社会づくりに貢献しようと考える人。
- 2.
- 人のため、地域社会のため、環境のための仕事に就きたいと考える人。
- 3.
- これからの社会のあり方について興味・関心のある人。
- 4.
- 自ら考え、行動する主体性を大切にできる人。
- 5.
- 多様な価値観を認め合い、協調して活動ができる人。
- 6.
- 大学で学ぶだけでなく地域や現場に入り具体的な活動を行おうと考える人。
- 7.
- 広く関心を持ち、さまざまなことに挑戦しようと積極的に行動する人。
- 8.
- 的確な情報分析を行い、論理的にものごとを考えようとする人。
- 9.
- 地域社会や環境との調和を考えた生活行動が行える人。
また、環境・まちづくり系専攻に入学するまでに、次のようなことを身につけていることが望まれます。
国語
論理的・構造的に思考するための読解力・表現力が身についている
地歴・公民
日本及び世界の情勢や地域特性について総合的に理解している
数学
データ等を用いて論理的・客観的に思考できる基礎的素養が身についている
外国語
基礎的な技能(読解能力、作文能力と会話能力)と語彙力が身についている