近畿大学教育方針
本学は、未来志向の「実学教育と人格の陶冶」を建学の精神とし、「人に愛される人、信頼される人、尊敬される人の育成」を教育の目的として掲げてきました。この「建学の精神」と「教育の目的」は、知識基盤社会へ転換しようとする21世紀の日本において、いっそう必要とされる理念であると自負します。
本学が、総合大学として各学部の特色を生かしながら、共に手を携えて目指そうとしているのは、「実学教育」と「人格の陶冶」の融合です。真の「実学」とは、必ずしも直接的な有用性を志向するだけではなく、その事柄の意味を学び取ることを含みます。現実に立脚しつつも、歴史的展望をもち、地に足をつけて、しなやかな批判精神やチャレンジ精神を発揮できる、創造性豊かな人格の陶冶を志向するものです。「自主独往の気概に満ち」、生涯にわたって自己の向上に励み、社会を支える高い志をもつことが「人に愛され、信頼され、尊敬される」ことにつながります。このような学生を社会に送り出すことが、これからの時代に、本学が目指す社会的使命であります。
ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)
本学は、「建学の精神」と「教育の目的」に基づいて、「深い教養と高い志をもち、社会を支える気概をもった学生を育成し、社会に送り出すことを最終教育目標」としています。厳格な成績評価を行い、所定の単位を修得した学生に卒業を認定し、学位を授与します。卒業までに身に付けるべき資質を以下に示します。
- 1.
- 大学での種々の学びを通じて、「人に愛され、信頼され、尊敬される」人格へと自らを成長させ続ける自己教育力を培っていること。
- 2.
- 問いながら学ぶ「学問」習慣を身に付け、専門領域における知識・技能を修得し、それらに裏打ちされた探究心と社会貢献への使命感に目覚めていること。
- 3.
- 専門領域における課題の意味を、広い歴史観や深い人間観の中で位置づけようとする教養を、身に付けていること。
- 4.
- 異質な価値や文化を理解し、自国の伝統や文化の意味を再発見する国際感覚を、身に付けていること。
カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成方針)
本学は、「建学の精神」と「教育の目的」を実現するために、「全学共通科目」と「専門教育科目」を2本柱として、各学部学科の特色を生かしたカリキュラムを提供します。また、ボランティア、インターンシップ、各種資格取得講座などのプログラムを展開し、全教職員が、学生の学問的、人間的成長とキャリア形成を支援します。さらに、生涯学習社会実現のために、学生と社会人と教員が共に学び合う機会を提供します。これらにより、学生はディプロマ・ポリシーにある資質および能力を以下のように身に付けます。
- 1.
- 全学共通科目および学部基礎科目では、文系・理系の枠を超え、入学者の基礎学力の確認と向上を図るプログラムを提供し、各学部における専門分野の学問へ導くとともに、学問する習慣を身に付けます。
- 2.
- 専門教育に携わっている教員が教養教育(全学共通科目)に参加して、実学(専門教育)と教養の連動ないし融合を視野に入れた授業を提供します。これにより、教養と専門教育の意味を幅広い視野から理解し、学ぶ意義と意欲を体得します。
- 3.
- 「専門教育科目」においては、社会のニーズに対応できる教養に裏打ちされた専門性を高める工夫を進め、社会に貢献できる知識と技能、探求心を身に付けます。また、必要に応じて他学部との単位互換制度等を活用し、複眼的な専門性を育成します。
- 4.
- さまざまな国際分野で活躍できる人材を養成するため、グローバル教育の充実を図り、国際社会が共有する目標と文化的多様性の価値を理解し、国際感覚を身に付けます。さらに、海外の教育機関等との提携による国際スタンダード教育への参加を進めます。
- 5.
- 産学連携を推進し、生きた実学教育の充実を図ります。社会人の学びの場(リカレント教育)を充実し、生涯学習社会の実現に貢献します。学生の資格取得のために、学部横断的な取り組みを展開します。ボランティア、インターンシップ、留学制度等を充実し、学生が地域社会、国際社会において意味のある学びを体験できるよう努めます。これにより、社会貢献の意義と使命感を体得し、常に自らを高める自己教育力を身に付けます。
- 6.
- これらの達成度および学修の成果は、別に定める「評価の方針」によって評価を行います。
アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)
本学の「建学の精神」と「教育の目的」に共感する入学者を国内外から広く受入れます。
- 1.
- 本学が求める基礎学力と倫理観を備える人。
- 2.
- 謙虚に学ぶ姿勢を有するとともに、自ら課題を発見し解決していく意欲にあふれる人。
- 3.
- 「人に愛され、信頼され、尊敬される」前に、まず人を愛し、信頼し、尊敬することのできる人。
- 4.
- 社会のニーズに対応できる実学や教養及び国際性を身につけたい人。
- 5.
- 自分の得意分野を伸ばし、社会に貢献したいと考える人。