建築学部教員3名が、2018年日本建築学会各賞を受賞いたしました。

2018.06.01

建築学部の村上雅英教授、松岡聡教授、この3月定年退職された坂本昭教授の3名が、2018年日本建築学会の各賞を受賞し、2018年5月30日には贈呈式が行われました。日本建築学会賞は、一般社団法人日本建築学会が設けている国内で最も権威のある建築の賞の1つです。
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村上雅英教授「2018年日本建築学会賞(論文)」業績紹介
表彰業績:「木質構造における各種面的な耐力要素の特性を活かしたモデル化による面内せん断抵抗機構の解明と構造計算法の確立に関する一連の研究」
受章コメント:私は1995年阪神淡路大震災までは、鉄筋コンクリート構造の研究をしており、当時、木造の甚大な被害が社会問題となり、木質構造に転向しました。そして、木造在来軸組構法住宅の新しい耐震設計法を策定するプロジェクトに参画し、その成果として2001年に刊行された「木造在来軸組構法住宅の許容応力度設計」では、私が基本理論を考案しました。 その理論を用いて様々な耐力要素の設計式の構築や力学挙動を解明してきました。その一連の研究成果と社会的貢献度が高く評価されて今回の受賞となり、大変光栄に思っています。
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松岡聡教授「2018年日本建築学会作品選奨」 業績紹介
設計作品:「裏庭の家」
受章コメント:受賞した住宅は20坪にも満たない小さな裏庭に建ちます。典型的なロードサイドの街並みに晒される住宅がその風景の一部となり、いかに生活の場足りえるかを考えました。クライアントや施工者、関係者の皆さんと長い時間をかけてつくり上げた小さな作品がこのような賞を受賞できたことを大変光栄に思います。
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坂本昭教授(平成30年3月退職)「2018年日本建築学会作品選奨」 業績紹介動画業績紹介
設計作品:「太子町新庁舎 太子の環」
受章コメント:太子町新庁舎はプロポーザルコンペから3年を経て、2015 年8月に竣工を迎えました。各々の機能や空間が広場を介して有機的につながり合う場所の創出を目指し、新庁舎からまちづくりへという想いを込め、「太子の環 人がつどう・まちをめぐる・太子がつながる」というコンセプトを掲げ計画を進めました。多くの住民の方々がこの庁舎を訪れて各々の時間を過ごすようになり、人々の温かい気配が感じられる心地よい町の拠り処となりました。太子町新庁舎が評価され、このような賞に選出されたことを大変嬉しく思います。

「日本建築学会賞(論文)」は、近年中に完成し発表された研究論文であって、学術の進歩に寄与する優れた論文が対象となっており、日本建築学会各賞の中でも、最も古い1949年に設置された賞です。
「日本建築学会作品選奨」は、『作品選集』に掲載された作品の中から特に優れた作品を選考し表彰するものです。『作品選集』の刊行は、1989年に始まり、日本における建築作品の発表の場として国内外より高い評価を受けており、日本建築学会の最も重要な事業のひとつとなっています。