2007(平成19)年度 海外留学帰国報告書

カリフォルニア大学デイビス校(アメリカ) 経営学部 商学科 帰国報告書

1.留学中の活動詳細について

私の場合、春クウォーターはエクステンションの授業だけを受講、夏にはエクステンションでの授業をメインにOPEN CAMPUSの授業を各セッションごとに一つずつ、秋にはエクステンションとOPEN CAMPUS授業を半々、そして冬クウォーターには全てOPEN CAMPUSの授業をと、徐々にエクステンションからUCDの本キャンパスで受けるように時間割りを考えました。朝から晩まで全て英語での授業は初めてのことで、最初は英語を聞き取ることがとても大変で「授業を理解する」というのに辿り着くまでに時間がかかりました。また、「アメリカの大学生は日本の大学生の4倍勉強する」とJapaneseの授業で習いましたが(私はその授業のTutorをしていました)、その通りだと思いました。授業によって違いますが、宿題は毎回山のようにあり、テスト期間は期末テストしか設けられていないため、毎週何かの教科で小テストやテストがありました。ですから、一つテストや宿題が終わっても次に向けて勉強しなければいけないので、睡眠時間はだんだん減っていき、土日も勉強しなければならないことが多々ありました。宿題を自分で解くことができないときには、Office hourの時間に教授やTAに毎回質問に行っていました。
私のDavisでの生活はほとんど朝からの授業ばかりだったので朝から授業を受け、昼に授業がないときは一旦家に帰りまた夕方の授業に出席するか、図書館で宿題やテスト勉強をすることが多かったです。授業が早く終わるときは夕方に友達と映画を見に行ったり、お茶を飲みに行ったりし、夜には家に帰りホストファミリーと一緒に過ごすことが多かったです。エクステンションの友達とはよくPotluckパーティーをしました。このパーティーは自分の国のご飯をみんなで作って一緒に食べるというものです。そして週末や休日には友達の家でホームパーティーに参加させてもらいました。
私は一年間ホームステイをしていたので、ホームステイ代を払う以外は授業料と友達と一緒に遊びに行ったり、ご飯を食べたりするときにお金を使っていました。ホームステイは家庭によりますが、私のホストファミリーは家にある食べ物を何でも食べていいという家庭だったので、昼ご飯も前日の夜ご飯の残り物や、サンドウィッチを作ったりして持って行っていました。Davisは自転車の町として有名なので自転車があればDavisのたいていの場所は行けます。しかも、学生証があればバスは無料で乗ることができるので、本数は少ないですが、SacramentoやVacavilleなどの市外にも車なしで行くことができます。

2.留学の成果について

留学の最大テーマである英語力の向上です。留学前と留学後では明らかに自分の英語力が違っていることに気付くことができます。留学当初は本当に先生の話を聞くだけでとても疲れ、常に集中しないと英語を聞き取ることが出来ませんでしたが、今では先生のジョークや、UCDの本キャンパスでのクラスメイト同士が話している会話も耳に入ってきて、理解することができます。TOEICやTOEFLのスコアも自然と上がりました。
またアメリカの文化や人間性についても直に触れることができ、様々な行事に参加しました。エクステンションでは行事ごとに色々な企画を用意していたり、私のホストファミリーは行事やイベントに参加することが好きで、私のこともいつも誘ってくれたりしました。その中には私の知っている行事(HalloweenやChristmasなど)ももちろんありましたが、規模の大きさが全く違いました。初めて参加する行事(EasterやThanks givingなど)もたくさんありました。日本にいては決して味わえない貴重な体験をしたと思っています。さらに、アメリカの文化だけでなく、他の国の文化も学ぶことができました。そして、日本の文化や人間性を客観的に見ることもできました。この留学から日本やアメリカ、そして他国と少しではありますが、文化の違いを学ぶことができました。
アメリカは家族をとても大切にすると聞いていましたが、私のホストファミリーもそうでした。休日はいつもどこかへ一緒に出かけたり、誕生日には必ずみんなで祝ったりと、日本の文化ではあまり見られないことが、当たり前の様に行われていました。ホストファミリーは私を本当の家族のように接してくれて、いいホストファミリーに出会えたと思い、感謝しています。家族の大切さに改めて気付くことができました。
そして一番の成果だと言えることは世界中の友達ができたことです。一人で日本を離れ、知り合いが誰もいない中で生活することは勇気がいります。ですが、少しずつ友達ができて、Davisを離れる最後のときにはたくさんの友達と別れることがとても辛かったです。私が困っているといつも友達が助けてくれましたし、落ち込んでいたら励ましてくれました。私はなるべく日本語を話さないために日本人とは一緒にいないでおこうと出発前は思っていましたが、それは間違いでした。仲のいい日本人の友達とは英語で話していましたし、日本でも私の知らない文化や場所など、たくさんあることに気付きました。また年齢も日本にいる時にはいつも同じ年の友達としか話していませんでしたが、留学中には私よりも一回り近く年上の友達や、年下の友達もできました。年上の友達はやはり私が経験したことのないことをたくさん知っていて、色々なアドバイスしてくれたり、また年下の友達はみんなとても自分の意見を持ってしっかりと自立していて、私も彼らに負けないように頑張ろうといつも思わされていました。そして私の友達に共通して言えることが、みんなそれぞれ自分の夢をはっきりと持って留学しているということでした。その夢は本当にばらばらですが、その夢を叶えるために英語の勉強を頑張っている姿を見ると自然と私にもいい刺激を受けました。Davisで出会った一人一人の友達はこれから先ずっととても大切にしていきたいと思っています。

3.反省点について

私の最大の失敗はアパートへの引越しだったと思っています。日本を発つ前からホームステイは2、3ヶ月だけして、色々な経験をするためにその後はアパートに引越しをしようと思っていました。アパートを自分で探し、契約も結んで、引越しをした際、ホストマザーに手伝ってもらったのですが、そこでホストマザーは私のルームメートが麻薬常習者であることに気付きました。ホストマザーはバルコニーの吸殻や、ルームメートの部屋のドアの上のステッカーの「Stoner way」の文字からそれが分かったのですが、私にはその吸殻も文字の意味もわからなかったので、入居前に部屋を見た時に気付くことができませんでした。もっと私が注意深く見ていたらととても反省しています。さらに部屋だけではなくてそのアパートを選んだことも反省しています。その部屋に住みたくないとオフィスに交渉した後、オフィスは部屋を変えてくれました。ですが、2つ目の部屋でも問題が起こりました。たった一日しか住んでいないのに、ルームメートに嫌がらせをされたことです。私は何かルームメートを怒らせるようなことや気分を悪くさせる様なことをしたとは考えられません。このことをオーナーに言い、契約を破棄したいと言いましたが、結局最後まで破棄することはできませんでした。後日友達から聞いた話ですが、そのアパートは経営不振で、お金に困っていたようです。ですから契約も破棄できなかったのではないかと思います。もっと色々な人から情報を集めて慎重に選ぶべきでした。
健康だけには気をつけていたはずですが、秋クウォーターで体調を崩してしまいました。毎日たくさんの宿題を終わらすだけで精一杯な上、さらにテスト勉強などで睡眠時間がどんどん減っていったことが原因だと思いますが、それでもしっかりと栄養のある食べ物を食べてもっと時間をうまく使って勉強をし、睡眠時間を確保すべきだったと思っています。
授業は休んだことがないし、宿題もさぼったことは一度もなかったですが、成績がそれに伴っていなかったことを反省しています。UCDの成績の評価はとても厳しく、授業によって異なりますが、クラスの数人しかいい成績はもらえません。成績の中でテストの割合が多い授業がほとんどだったので、テストをもっと頑張ればよかったと後悔しています。

4.海外留学を目指している学生へのアドバイスについて

私はTOEFLでスコアをとるためにTOEFLの問題を何度も解きました。学校の登下校では同じTOEFLのCDですがいつも聞いたり、電車では単語帳を見て、一つでも多くの単語を覚えていました。単語は私の場合、現地に渡った後覚える時間はともかく、単語帳を一応持って行ったのですが開く時間さえ全くありませんでした。ですからTOEFLの勉強、留学のために日本にいる間に一つでも多くの単語を覚えることをおすすめします。文法もエクステンションで勉強する機会はあるかもしれませんが、総復習を現地でする時間はありません。日本にいる間に全て済ませておけば、TOEFLの勉強にも役立つと思います。Writingは練習が全てだと思っています。TOEFLの実際の問題を時間を計って解き、英語の先生に添削してもらうのが一番いい方法ではないでしょうか。何度も書いているうちにどのように始めて、どのように終わればいいかという構成が分かってきますし、書くスピードもだんだん速くなってくることを実感できるはずです。Speakingに関しても実際の問題を何度も解き、練習することが遠回りですが一番効率的な方法だと思います。さらに、日本語を話した後に頭の中で英語でもう一度言ってみたり、独り言を全て英語にしたりと、とにかく英語を積極的に使うことが大切です。TOEFLの問題集は本屋でたくさん売られているはずなのでその中から実際の問題を扱っている本を選ぶといいと思います。
私が本キャンパスの授業を受けているときに思ったことは、少しでも「この授業をとろう」と日本にいる間に思ったらその教科について一通り日本にいる間に勉強しておくことをおすすめします。私の留学先は農業に強い学校でしたが、私の専攻は農業ではありません。もちろん私の専攻に近い教科はたくさんありましたが、全く同じものはありませんでした。ですから私はその専攻に近い教科や、私の専攻とは全く違うけれど日本にいては学べないような興味のある授業をとっていました。ですが、日本にいる間に勉強したことのない授業をとっていても全てが新しいことばかりで、理解をするための勉強のスピードがどうしても遅くなってしまいます。私は留学中あるクウォーターで「数学」をとっていたのですが、高校生のときに公式や解き方を一通り習っていたため「この公式や単語を英語でこうやっていうのか!」と分かったときにとても嬉しく、理解するスピードも速くなっていたのを覚えています。自分の専攻の授業を受けることがベストですが、たまに定員があって留学生は受けられないという場合もあるので、色々な知識を日本にいる間に身につければ留学後も役に立つのではないかと思います。