JABEEについて

1.JABEEとは

ここで簡単にJABEEについて説明します。
JABEEとは,日本技術者教育認定機構(Japan Accreditation Board for Engineering Education)の通称です。
JABEEが何を目的に設立され,何を行なおうとしているのかを以下に示します。

化学生命工学科では,多彩な才能と個性を最大限に伸ばしながら社会の要求に応えられる人材教育体制として,化学部門,資源工学部門,環境部門,生物工学部門等の技術士を目指せるJABEE認定(工学(融合複合・新領域)関連分野)の教育プログラム(生物化学コース)と,化学と生命科学の知識を基礎として,環境を中心に分析技術の修得を行い,プロセス計測,環境分析の工業的応用,また環境保全などの専門分野で活躍可能な人材教育を目指した教育プログラム(環境化学コース)と安全かつ安心な食品の製造・開発,健康増進に役立つ機能性食品の開発,豊かな生活を送るためのおいしさの追求について体系的に学び,食品産業分野で活躍可能な人材の育成を目指した教育プログラム(食品科学コース)があります。また,所定の単位を取得すると卒業時に食品衛生管理者・食品衛生監視員の資格が得られます。以下に学科全体の教育プログラムの概念図と特徴,学習・教育目標に続き,3つのコースを具体的に説明します。

ここに記載されているように,JABEEとは,大学の技術者教育が社会の要求水準を満たしているか,国際的な水準を満たしているかどうかを認定する団体で, JABEE認定を受けた教育プログラムは,それらの水準を満たしているプログラムであり,それを修了した学生は,国際的な技術者資格取得の出発点にたつことになる訳です。とくに,国内では,JABEE認定コースの修了生は,工学分野の国家資格の最高峰とも称される「技術士」の一次試験が免除されます。 技術士についての詳しい説明は, 日本技術士会(http://www.engineer.or.jp) あるいは JABEE(http://www.jabee.org) のホームページを読んで下さい。

JABEEが目指す大学のエンジニア教育と社会,企業との関係を図1に示します。

2.化学生命工学科(生物化学工学科)の教育プログラムとJABEE認定基準との関係

JABEEの認定を受けるためには,JABEEが設定した基準1から基準4までの認定基準をすべて満たしていることが条件となります。特に,基準1は,自立した技術者の育成を目的として,下表(表1)のa~iに示した9項目についての知識・能力を網羅した独自の具体的な学習・教育目標が設定され,公開されていることを求めています。

表1 JABEEの認定基準1が教育プログラムに求めている9つの知識と能力等

化学生命工学科(生物化学工学科)の独自の具体的な学習・教育目標とJABEE基準1との対比を下記の対応表に示します。1章に示したA~Dの学習教育目標を,さらにA1からD2までと8つに細分化して,JABEEの基準1のa~iまでとの相関とその関連の強さを順に◎,○で示しています。化学生命工学科(生物化学工学科)のA1からD2までの9つの学習・教育目標がJABEE基準1a~iの9つの項目に合致するように設定されていることが理解できると思います。

化学生命工学科(生物化学工学科)で開講されている各講義は,A1からD2までの9つの学習・教育目標を必ず1つあるいは複数設定して授業計画(シラバス)が設計されています。受講者は,各自で9つの学習・教育目標がどの程度達成されているのかを自己採点しながら,学習を進めることが大切です。各学年で前後期の開始時に開催されるガイダンスでは,このシラバスを持参して,学習・教育目標の達成度を必ずチェックしましょう。学生自身で達成度を継続的に点検することが必要です

表2 生物化学コースの学習教育目標(上)とJABEE基準1(新基準;下)との対比

3.参考・関係資料

  • 技術士の技術部門と専門科目pdf;ダウンロード
  • 生物化学コース修了書(サンプル)pdf;ダウンロード