新しい時代への対応と絆の醸成を!
工学部同窓会会長 藤田 博久
(昭和51年経営工学科卒)
工学部同窓生の皆様には益々ご健勝にてご活躍のこととお慶び申し上げます。昨年来のコロナ禍も2 年越しとなり、この1年間工学部同窓会におきましても会報の発行だけになってしまい、皆様と顔を合わす機会が無かったことは忸怩たる思いです。
しかしながら、コロナワクチンの接種も進み始め、少しは安心して行動できる日も近いかもしれないと期待していましたが、変異株の感染拡大が止まらない状況にあり、大学の行事予定の見送り、校友会総会の中止の動き等を鑑み、10月23日に予定していました工学部同窓会を今年度も中止せざるを得ないとの結論に至りました。その代わり来年こそ、コロナ禍明けとして盛大な同窓会総会を準備いたしたいと思います。
工学部も学生諸君の授業がオンラインと対面授業を織り交ぜながら、感染防止の対策を十分にとっておられます。大学生活がキャンパスでの触れ合いから生涯に亘る人間関係を築いた経験を持つ我々世代としては気掛かりなところです。特に昨年4月に入学された学生の皆さんは、1年余りにわたり友人たちと語り合う時間も制限され、人との出会いに渇望されておられるのではと危惧しています。実は私の後輩たちのヨット部も、部員勧誘のための試乗会を企画したところ、希望者の多くが2年生だったという珍しい現象が起こったのです。なんとか、クラブ活動などの場に自分の居場所を見いだし、4年間の大学での勉学を有意義なものにして頂きたいと願っております。
コロナ禍がどの時期に収束するのかは期待半分の判断しかできませんが、はっきりと言えそうなのは、コロナ前の状況には戻り得ないような動きが、社会に進展しているという事です。出生数の減少に歯止めがかからない状況では、当然それにともない経済は縮小するわけですから、従前と同様の拡大路線の限界が見えてきます。ITの進展で世の中が効率化され、生産性の向上と付加価値化が求められるようになります。今の学生諸君が大学を卒業し社会の中核になる頃には、間違いなく我々先輩世代が経験したことのない変革の中で、世の中がまわっていると思っています。
だからこそ、世の中が変わっていこうとも、人と人との絆は益々重要性を帯びてくると信じています。近畿大学も2025年(令和7年)には創立100周年となります。今こそ同窓会として大学の発展と学生たちの支援に向け、そして新しい未来に進んで参りましょう。
令和3年9月
- 藤田 博久
- HIROHISA FUJITA
- 近畿大学工学部 同窓会会長