コンピュータビジョン
研究室
社会を見守り、暮らしを支えるAIを目指して
教授 波部 斉


研究紹介
コンピュータビジョンは、人間のように物事を理解できる「コンピュータの目」の実現を目指す研究分野です。近年、人工知能(AI)の中核技術として注目を集め、世界中で活発な研究が進められるとともに、実社会への応用も広がっています。
本研究室では、映像から人間の行動や生物の営みを理解し、社会を見守り、暮らしを支えるAIの実現を目指して研究に取り組んでいます。ここでの研究紹介は掲載時点の内容で、研究室の活動のほんの一部です。最新の研究紹介や、発表論文などもっと詳しい内容を知りたい場合は研究室ホームページからアクセスしてください。
人物の姿勢情報を用いた行動理解
カメラ映像を解析し、人物の動作や意図を推定する技術を開発しています。私たち人間はお互いの様子を見ることで多くの情報を得て、コミュニケーションに役立てています。コンピュータも同じように人間の動作を理解できるようにし、我々の生活をサポートするシステムを実現することを目指して、さまざまな研究を行っています。
具体的には、歩行中の人物の視線方向を推定し、その結果を長期的に蓄積することで、関心のある対象を推定するシステムの開発に取り組んでいます。また、自転車の片手運転や歩きスマホなど、危険な行動を検知する技術の開発も進めています。
生物・動物の複雑な行動を獲得する技術の開発
人間だけでなく、さまざまな生物の行動を理解するために、移動軌跡を取得する技術の開発を行っています。生物の行動を記録・解析することは、その生態を解明するという科学的な目的だけでなく、養殖などの産業分野への応用も期待されます。私たちは、対象の素早く動く場合や、暗所などの厳しい環境下に対応し、正確に位置や動きを捉える技術の開発に取り組んでいます。
具体的には、近畿大学でも精力的に進められている水産養殖への応用を目指し、養殖魚の尾数を正確にカウントする技術の開発に取り組んでいます。また、コウモリやアユを対象に、複数個体の検出や追跡を行う技術の研究も進めています。
卒業生からのコメント
信頼できる指導教員と研究活動を継続するために
近畿大学大学院へ進学
私は現在メガベンチャーでソフトウェアエンジニアとして働いています。コンピュータビジョン研究室には、3 年生の後期から博士前期課程を修了するまで所属しており、不審者の検出やクロマグロ稚魚養殖の自動化に関する研究を行っていました。研究活動では、フィールドワークでのデータ収集から提案手法アルゴリズムの実装、使用する共用 GPU 計算基盤の構築まで幅広く行いました。

- 波部 斉
- 教授 博士(情報学)
- 所属学科/情報学科 所属専攻/エレクトロニクス系工学専攻
- 情報学研究所
略歴 | 1999年 | 京都大学大学院工学研究科 博士前期課程 修了 三菱電機株式会社 |
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2002年 | 京都大学 助手 | |
2006年 | 奈良先端科学技術大学院大学 助手 | |
2011年 | 大阪大学産業科学研究所 特任講師(常勤) | |
2012年 | 近畿大学理工学部情報学科 講師 | |
2018年 | 同 准教授 |
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2022年 | 近畿大学情報学部情報学科 准教授 |
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2024年 | 同 教授 |
研究紹介
近畿大学情報学部 情報学科 教授 谷口 義明
近畿大学情報学部 情報学科 准教授 越智 洋司