近大で原子力を学ぼう!!(よくある質問)

Q. 日本で研究用原子炉をもっている大学はどこですか?

A.
2025年現在、我が国の大学が所有する原子炉は、近畿大学(1基)と京都大学(2基)の3基だけとなっています。この3基の原子炉で日本の原子力人材育成を担っているのが現状です。2026年度に、京都大学の1基が運転を停止するので、近畿大学原子炉の重要性はますます高くなっています。

Q. 他大学の原子力コースと比較しての特色はなんですか?

A.
当研究所は、"科学を実践に移すべし"が持論の近畿大学初代総長世耕弘一先生が1960年に設置した我が国最初の民間・大学の研究・教育用原子炉UTR-KINKIを所有しています。京都大学を除く他大学の原子力コースは、自前の原子炉がないので、近畿大学や京都大学の施設を利用しないと実際の原子炉を学ぶことができません。近畿大学では、UTR-KINKIを利用することで、原子炉の基礎物理や、原子炉から発生する放射線を利用した放射線測定・放射線照射効果等の研究開発が実際の原子炉を用いて実施できます。

Q. どうしたら近大で原子力が学べますか?

A.
近畿大学において、原子力に関連する学部教育は、1961年から2002年までは原子炉工学科が担っていました。原子炉工学科の廃止に伴って、その役割の一部を電気電子工学科と生命科学科に引き継ぎました。2022年度に理工学部に「エネルギー物質学科」が新設され、原子力・放射線を専門として学ぶことができるようになりました。近畿大学原子炉を用いた実習も行われます。原子力研究所では、理工学部のエネルギー物質学科と生命科学科の卒業研究生を受け入れています。(卒業研究;大学3年後期に各研究室に配属されて研究を開始し、4年生の2月に卒業研究発表を行います。これは大学で学んだことの集大成としての位置づけであり、必修です。卒業研究後、大学院に進学して更に専門的な研究を続けることもできます。)

近畿大学理工学部・エネルギー物質学科

近畿大学理工学部・生命科学科

Q. 原子力の社会的需要はどうなっていますか?

A.
2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画では、原子力発電が「最大限活用」される方針に転換しました。これは福島第一原発事故以降の「依存度低減」という表現を削除し、2040年度の電源構成目標において、再生可能エネルギーに次ぐ主力電源として原子力を2割と位置づけているためです。これにより、ベースロード電源としての原子力の社会的需要は増してきています。

Q. 原子力を学ぶとどこに就職できますか?

A.
原子力関連の人材は、不足の状況にあり近畿大学で原子力・放射線を学んだ学生さんには、原子力・放射線関連の多くの就職の可能性があります。これまでに以下の進学・就職実績があります。

過去5年間の原子力研究所出身(学部・大学院)学生の就職先の例

Q. 近畿大学の研究用原子炉は安全ですか?

A.
近畿大学原子炉は、1961年に運転を開始した、現在日本で稼働している原子炉の中で最も古い原子炉ですが、教育研究用に設計された極低出力であるため、きわめて高い安全性を有しています。 定格熱出力が1W(約0.24カロリー毎秒)と低いため最高出力で運転しても温度上昇がほぼ無く、ウランの核分裂の発生数も発電用原子炉の30億分の1程度しかないので、核分裂生成物の発生も極わずかです。発熱がない為に、冷却の必要が無く、2011年の福島第一原子力事故でおこった核燃料のメルトダウン(炉心溶融)をおこす心配もありません。また、発生する放射線量も少ないので、放射線被ばくによる健康影響の懸念もほとんど無く、安心して教育や研究に利用することができます。

Q. 近畿大学原子炉のスペックはどうなっていますか?

A.
近畿大学原子炉UTR-KINKIのスペックについては以下のページをご覧ください。

施設案内

Q. 担当教員はどのような方ですか?

A.
担当教員については以下のページをご覧ください。

研究室紹介

Q. どのような資格がとれますか?

A.
毎年8月に実施される、第一種放射線取扱主任者、第二種放射線取扱主任者の学科試験を受験することができます。学科試験合格後、認定講習会を受講することにより、放射線取扱主任者の国家資格が得られて就職に有利です。

Q. 原子力分野での人材育成はどうなっていますか?

A.
原子力分野での人材育成については以下のページをご覧ください。

原子力・放射線分野の人材育成

Q. 近畿大学原子力研究所の紹介ビデオはありますか?

A.
原子力研究所の紹介ビデオは以下のページをご覧ください。

近畿大学原子力研究所紹介ビデオ

お問い合わせ先

原子力研究所 Kindai University Atomic Energy Research Institute
TEL (06) 4307-3095  お電話でのお問い合わせは月~金の午前9時~午後5時までとなっております。
FAX (06) 6721-3743(24時間受付)
E-mail:genken@itp.kindai.ac.jp(24時間受付)