人権問題研究資料 第17号 2003 (平成15).3.31
人権擁護法案の問題点と人権救済機関の課題 北口 末広
- 人権擁護法案の問題点
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人権侵害の類型と具体的事例
◆公権力による人権侵害
◆メディアによる人権侵害
◆虐待 -
外国籍市民に対する人権侵害
◆専門性が求められる事務局職員
◆急増する外国籍市民
◆公務員による人権侵害
◆公的な機関による人権侵害
◆制度上、法令上の差別による人権侵害
◆私人間での人権侵害 -
実態把握が行われていない問題点
◆人権救済機関のスパイラル状況
◆集約されないシステム -
司法制度改革と人権救済
◆百万人弁護士がいる米国
◆米国の法律産業
◆ネットで原告が終結
◆集団訴訟と懲罰的賠償金
◆ドイツの権利保護保険
◆最終的解決機関は司法
「法」期限後の部落問題を考える 奥田 均
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部落問題の解決と期限切れの「法」
(1)2つの質問
(2)期限切れの「法」と法的根拠
(3)呼称問題の怪
(4)呼称問題と誤解
(5)内包する重大性 -
議論と模索の意味
(1)議論と模索の舞台
(2)3回目の脱皮
(3)大変革と部落問題
(4)私は希望を感じている -
部落はみんな個性的
(1)多様な部落の現実
(2)「法」期限切れと「自由」 -
差別の現実・解放への課題は具体的
(1)ある高齢者の孤独死
(2)相談活動活性化への期待 -
差別の現実に市民の人権の課題を発見する
(1)差別の現実は社会矛盾の集中的表現
(2)身元調査とプライバシーの侵害
(3)オードリ・ヘップバーン
(4)部落問題の解決と人権確立社会の建設
「マイノリティ女性に対する複合差別」をめぐる論点整理 熊本 理抄
- はじめに
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「複合差別」(multiple forms of discrimination)/「交差」(intersectionality)という概念
(ア)「ジェンダーと人種差別」専門家会議における論点整理
(イ)上野千鶴子による「複合差別論」
(ウ)複合差別の概念整理 -
「複合差別」概念とマイノリティ女性の実態
(ア)人種差別撤廃へ向けた取り組みとジェンダーとの関係性
(イ)「北」の女性への「南」の女性からの痛烈な批判 -
日本のマイノリティ女性の状況
(ア)マイノリティ女性たちは何を問題にしてきたか
(イ)日本のマイノリティ女性の状況
(ウ)コミュニティ内部の差別を乗り越える -
複合差別問題が提起するもの
(ア)「マイノリティ女性」とは誰をさすか-実態調査の必要性と困難性
(イ)「差別」「被差別」の関係のとらえなおし - 横断的反差別運動の構築のために
多民族・多文化共生の明日を拓く在日朝鮮人教育の今日的課題
稲富 進
はじめに
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教育現場に見る<時代の変化>と<多様性>
(1)国際化の進展を映し出す日本の学校
(2)多様化する多民族の子どもたちをとりまく教育環境
ア.発想の転換が求められる日本の文教政策
イ.日本の学校に学ぶ在日外国人の子どもの実態 -
「内なる国際化」をめざす在日朝鮮人教育活動・実践の成果と今日的課題
(1)在日朝鮮人教育運動・実践の歴史的区分と、その意味
(2)部落解放教育(同和教育)の昴揚と在日朝鮮人教育
ア.在日朝鮮人教育運動への歩みだし〜「考える会」旗揚げの背景
イ.長橋小の民族学級の実践とそれがもたらしたもの
ウ.「朝鮮支配は10年遅かった」〜歪められた朝鮮認識を問う運動
(1)半生と謝罪〜朝鮮植民地支配の歴史的認識のズレ
〔1〕深江小学校長の民族差別発言の追求から学んだこと
〔2〕歴史教科書とアジア認識 -
在日朝鮮人教育運動の成果と今日的課題
(1)成果
(2)今日的課題 -
在日朝鮮人教育の成果を生かした多民族・多文化共生教育(国際理解教育)
(1)諸外国の多文化教育と在日朝鮮人教育
(2)発想の転換からの多文化共生教育の創造を - <平和と人権>を基軸とした多文化共生教育
おわりに