固体核磁気共鳴装置
(固体NMR)
機器名称 | 固体核磁気共鳴装置(固体NMR) Solid State Nuclear Magnetic Resonance System (400 MHz) |
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メーカー/型式 |
ブルカージャパン株式会社/AVANCEIII 400WB-TS |
設置場所 |
東大阪キャンパス 31号館1階 |
仕様説明 | 固体NMR分光計は、結晶、非晶、コロイド、ゾル、ゲル状態の物質の分子構造・運動を非破壊的に測定することができます。工学、医学、薬学、農学等の広い分野の材料の機能と構造の関係を明らかにすることができる装置です。有機・無機、高分子、金属、それらの複合材料が主な観測対象です。 ー Solid NMR equipment makes it possible to analyze nondestructively the structure of solid materials such as crystals, amorphous solids, colloid or sols and gels. Therefore, by using the equipment we can clarity the relationship between performance and structure of organic and inorganic materials, polymers, metals and their composites which are essential in such wide fields as engineering, medical science, pharmacology and agricultural science. |
多彩なCP-MASプローブ
本装置は多彩な検出器を備えており、一般的な測定核種の13Cや29Siはもちろん、高速MASプローブを用いての1H/19Fも可能です。
・4mmCPMAS Probe 31P-15N測定用
・4mmCPMAS Probe 13C-109Ag測定用
・4mmCPMAS Probe 31P-15N高温測定用
・2.5mmCPMAS Probe 19F,1P-15N高速MAS測定用
・1.3mmCPMAS Probe 1H,19F,1P-15N超高速測定用
結晶多形研究
製薬産業のプロセスコントロールへの応用例 (結晶多形解析)
Top:市販の酢酸コルチゾンと2つの純品の結晶(A, B型) の13C CP/MASスペクトルの比較
Bottom:錠剤中の酢酸コルチゾンの結晶形(アモルファス状の添加物中の結晶性API含有量8.4%)は13C CP/MASスペクトルを観測することで同定できます。
右のスペクトルは全て400MHz磁場にCPMASプローブを用いて、15KHzのMAS回転速度で観測しています。
高温測定対応プローブ
WB用高温測定対応プローブを用いることで、-100℃~300℃までの測定が可能です。 右図はポリエチレンの13Cスペクトルです。温度による結晶非晶の変化を示しています。
超高速MAS Probe
1.3mm径CP/MASプローブは、最大67kHzもの超高速MASが可能です。固体高分解能1HNMRスペクトルを観測するには、1H間双極子相互作用を平均化する必要があり、それには超高速MASが必要です。
右図は、600 MHz磁場下でMAS回転速度を変えたグリシンの1H NMRスペクトルです。MAS回転速度が上がるにつれてピークがシャープになり、30 KHz以上ではグリシンのNH3,CH2のシグナルが分かれて観測され、さらに50kHz以上では非等価なCH2の信号も分かれて観測されているのがわかります。