近大理工通信
令和3年度 近大理工通信(第1号)
トピックス
国際共同利用・共同利用拠点において研究集会を開催しました
2019年9月9日から11日にかけて、京都大学数理解析研究所において、研究集会「可積分系数理の深化と展開」を主催しました。京都大学数理解析研究所は国際共同利用・共同研究拠点に認定されており、研究集会形式の共同研究が毎年60件程度開催されています。本研究集会はその中の1つとして採択されたものです。
本研究集会では国内の研究者による13件の招待講演が行われ、本コースの高崎金久教授も「3次ホッジ積分の可積分構造」というタイトルで講演を行いました。初日は台風の影響で新幹線や飛行機の運休や欠航が相次ぎ、予定通り開催出来るかどうか直前まで分からないという大変な状況でしたが、結果的にはスケジュールの変更もなく、60名の参加者を集めて盛会にて終了することが出来ました。
ちなみに、本研究集会のプロシーディングは数理解析研究所講究録別冊として出版される予定です。講究録別冊は査読付き学術雑誌として国内外で広く認知されており、その中の1つの号を鈴木が筆頭編者として担当しています。現在(2021年8月)は編集作業の最終段階に入っており、今年度中に出版される予定です。
(理学科・数学コース 鈴木貴雄)
動画配信イベント「数学コンテスト☕️ブレイク」を開催しました
2020年10月27日から11月17日にかけて「数学コンテスト☕️ブレイク」を開催しました。近畿大学数学コンテストは1999年2月に第1回を開催して以来、20年以上に渡り全国の数学愛好家に広く親しまれている人気のイベントです。毎年秋に開催されるコンテストには、中高生から年配の方まで幅広い年齢層の参加者が100名以上集い、当日出題される様々な数学の問題に挑戦し、その解答を競います。
昨年度はコロナウイルスの影響により、例年の対面バトル型での開催は取り止め、代わりに特別編としてこれまでのコンテストを振り返る動画配信イベントを行いました。これまでに出題された問題の中から個性的な問題を厳選し、その解法や背景などを解説する動画を作成・配信しました。また、20年前のコンテストの誕生の経緯や、コンテスト宣伝用の歴代のポスターについて解説する動画も配信しました。動画を見た参加者からは数々のコメントが寄せられ、開催を心待ちにしていた方が多いことを改めて実感しました。
最後になりますが、今年度の数学コンテストは2021年11月3日(水・祝)にオンラインバトル型として開催予定です。対面イベントの開催は未だ難しい状況ですが、可能な範囲で続けていきたいと考えています。皆様のご参加をお待ちしています。
数学コンテストHPはこちら
https://www.math.kindai.ac.jp/about/kindai_mathematics_contest.html
(理学科・数学コース 鈴木貴雄)
「低エネルギー宇宙線Workshop 2021」 が開催されました
宇宙空間には宇宙線と呼ばれる高速の粒子が飛び交っており、その多くは天の川銀河で作られていると考えられています。天の川銀河において宇宙線のエネルギー密度は、ガスや磁場といった他の成分に匹敵し、宇宙線は天の川銀河の主要成分です。宇宙線の中でも、運動エネルギーが比較的低い粒子(低エネルギー宇宙線)は冷たいガスの電離に寄与することで、分子雲中で起きている星形成や惑星形成に強い影響を与えているとされています。また、物理学・宇宙物理学の最重要課題の1つである「宇宙線加速機構の解明」のためにも、低エネルギー宇宙線の情報は不可欠です。しかし、低エネルギー宇宙線の観測手段がとても限られているため、低エネルギー宇宙線の実態はよく分かっていません。
この状況を打破すべく、今後の観測技術や理論の発展を見据えて、関係する研究者の情報交換を行おうと、物理学コースの信川久実子講師が発起人となって、2021年3月24日-25日に「低エネルギー宇宙線 Workshop 2021」を開催しました。ワークショップは、H3+の観測によって低エネルギー宇宙線を研究されてきた岡武史シカゴ大学名誉教授や、国内で低エネルギー宇宙線に関連する観測・理論研究を行なっている研究者10名による招待講演、および参加者を交えた議論で構成されました。コロナ禍のため、完全オンラインでの開催でしたが、20以上の機関から50名以上の研究者が参加し、活発な議論が行われました。写真はオンラインで撮影した集合写真。
(理学科物理学コース 信川 久実子)
台湾大学化学科からの留学生・陳宜萱さんが帰国しました
2019年9月より台湾大学・化学科3年生 陳宜萱さんが、近畿大学に留学生として勉強に来ていました。化学コースや理工学部の他学科の授業を受講するとともに、日本文化も積極的に学んでいました。2020年7月末に陳宜萱さんを囲み、メンターの松本浩一 准教授とともに1年間の留学を振り返る機会をもち、いろいろ感想を伺いました。2020年4月からは新型コロナウイルス感染症の影響で、オンラインでの授業受講となり予想外の体験となりましたが、授業をしっかりと受講して、メリハリのある生活を送っていたとのことでした。今回の留学経験を活かし、益々成長されることを期待いたします。以下は、陳宜萱さんからのメッセージです。
I am an exchange student from Taiwan. I’m interested in Japan because of Manga. I like the unique culture of Japan, and the history that led to it. I came here because I want to know more about life in Japan through actually living here.
I want to first share my experience at Kindai University. I think the teachers’ teaching style is similar to that in Taiwan, but there are fewer tests and less homework here. Instead, there are more reports. One thing that surprised me was that all of the text books are in Japanese. In my university, especially in departments related to science, all of the text books are in English.
I met many teachers and students in Kindai who are friendly to foreigners. I really appreciate that. I’m not good at making friends, and I heard that it’s hard to make friends with Japanese people, so I was nervous at first. Maybe people in Osaka are different.
Concerning Japanese culture, what impressed me the most was the Matsuri. There are so many festivals in Japan. I had a good time in Ikoma-sai. I never knew that an event in the university can last for five days, including preparation and cleaning. In my university, it’s not impossible for all of the students to spend so much time for the school’s event. Even in high school, the scale is much smaller. I also went to see other festivals in the shrines such as Jidai matsuri and Setsubun. It’s amazing that so many people are willing to spend their spare time to prepare for the events.
I had a great time this year. I hope that I still have the chance to come to Japan again.
(理学科化学コース 末永 勇作)
第53回 国際化学オリンピック日本大会 2021 開催されました
世界の高校生が化学の実力を競う『第53回国際化学オリンピック日本大会 2021』が2021年7月25日〜8月2日の日程で開催されました。
実験問題は、近畿大学で開催予定でしたが、コロナ禍の影響により、昨年のトルコ大会に引き続き、リモート開催となりました。
本大会は、85ヶ国から、代表高校生312名、ヘッドメンター・メンター 157名、オブザーバー・ゲスト52名の過去最高の参加国、参加者数を得て、行われました。
日本大会の実験問題作成には、理学科化学コースの黒田孝義教授を委員長に、メンバーには、大阪大学から福田貴光先生、本学から古南 博教授、須藤 篤教授、松尾 司教授、山際由朗准教授、野間直樹講師、納谷真一技術主任、末永が、担当しました。2019年5月から実質的な活動を開始し、これまで、10数回の会議を重ねてきました。
2020年10月には、4年生や大学院生を集めて、本番を想定した模擬実験を6号館2F応用化学実験室で実施し、リモート開催が決定した後、今年、5月には、ビデオ撮影会が同じ応用化学実験室で行われました。ビデオは、開催期間中、流されましたし、ホームページ上でご覧いただけます(ホームページ下部にある「実験試験解説動画」から視聴できます)。写真は、ビデオ撮影後のスタッフ集合写真です。
これまで、施設利用や実験試薬・器具などの準備のために多くの学生さんにも協力してもらいました。この場を借りて、ご協力ご支援に感謝いたします。
8月3日以降は、国際化学オリンピック日本大会下記ホームページにてオンデマンド配信しています。
日本大会のweb site は、https://www.icho2021.org/jp/です。
(理学科化学コース 末永 勇作)
応用化学科・理学科化学コース「合同企業説明会」が開催されました
令和3年2月25日(木)13:00から、応用化学科・化学コース「合同企業説明会」が開催されました。今年は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、リモート開催としました。42社の企業にご協力いただき、web会議アプリ 「Remo」 を利用しました。学生は、159名、企業側の説明担当者を入れますと、221名の参加者がありました。企業説明担当者には、卒業生も加わり、学生の就職活動への相談事も含めて、親身に話していただきました。ご協力いただいた企業には、あらためて、感謝いたします。
(理学科化学コース 大久保 貴志)
オンライン質問対応チャットボット「バーチャルTA」を 産学イベントInteropTokyo2021(2021.4.14-16 幕張メッセ)に出展
学生からの質問に24時間体制でAIが答える、オンライン質問チャットボット「バーチャルTA」を産学イベントInteropTokyo2021(2021年4月14日〜16日、幕張メッセで現地開催)で出展しました。バーチャルTAは情報メディアコースの実習授業「情報メディアプロジェクトII」に2018年度9月から導入されている、当該実習に関連する学生からの質問に答えるチャットボットです。InteropTokyoはインターネット技術に関して企業や大学が情報共有を行う、国内最大級のイベントであり、本学科のICT導入の取り組みについてのアピールを目的として展示を行いました。本イベントは、三日間で合計37,707名が現地参加し、ライブ配信視聴者数も25,381名に上り、情報学科展示ブースにも60名の見学者が来られ、活発なディスカッションが行われました。
(情報学科 大谷 雅之)