近大理工通信
令和4年度 近大理工通信(第2号)
令和4年10月7日発行
ヘッドライン
第23回数学コンテストを開催
2021年11月3日に第23回数学コンテストを開催しました。近畿大学数学コンテストは1999年2月に第1回を開催して以来、20年以上に渡り広く親しまれている人気の公開イベントです。毎年秋に開催されるコンテストには、在学生や卒業生はもちろん、全国から100名以上の参加者が集まり、当日出題される様々な数学の問題に挑戦し、その解答を競います。
2021年度はコロナウイルスの影響によりオンライン開催となりましたが、数学バトル形式としての開催は2年ぶりでした。中学生、高校生、大学生、大学院生、社会人、プロ数学者など105名の方々に、4時間贅沢に数学と向き合っていただきました。解答終了後には、採点と並行して出題者による問題解説動画をオンデマンド配信しました。その後、表彰式で成績優秀者が発表され、丸谷優太君(当時総合理工学研究科理学専攻修士課程2年生)が敢闘賞に輝きました。
今年度の数学コンテストは2022年11月3日(木・祝)に対面形式として開催予定です。まだコロナウィルスの影響によってオンライン開催となる可能性を排除できない状況ですが、可能な範囲で実施したいと考えています。皆様のご参加をお待ちしています。
数学コンテストHPはこちら
https://www.math.kindai.ac.jp/about/kindai_mathematics_contest.html
(理学科数学コース 池田 徹)
JABEE認定継続審査について
昨年(2021年)、応用化学科は、日本技術者教育認定機構(JABEE)の技術者教育プログラム認定継続審査を受審しました。新型コロナウイルス感染症の影響で、審査が1年延期された社会環境工学科との同時受審となり、実地審査は10月に Google Meetのオンラインで実施されました。受審にあたりまして、JABEE対応責任者である山口学部長、JABEE対応責任者代行である岩崎学科長、社会環境工学科のプログラム責任者である嶋津学科長に大変お世話になりました。実地審査では、河原センター長、坂田学部長補佐に、共通事項についてご対応していただきました。心より厚く御礼申し上げます。幸いなことに、今年(2022年)4月に「認定を可とする。」という認定審査結果が JABEEから正式に届き、認定期間は 2027年3月まで更新されました。応用化学科の学生は、全員が JABEEプログラムの履修生です。学生の教育では、常日頃から、共通教養科目、外国語科目、基礎科目をご担当の先生方にも大変お世話になっております。成績資料のご提供や Classroomの教員としてのメンバー登録など、多大なご協力を頂戴し、心より深く感謝申し上げます。
審査チームの所見には、『プログラムの特に優れているところ』として『プログラムの学習・教育達成目標はそれを記載したカードの配布、入学後のオリエンテーション等により学生へ周知されており、アカデミックシアター、基礎サポ、学年担任制度など学生支援が充実していることが学生面談からもうかがい知ることができた。また学生個別の「マイキャンパスプラン」、「応用化学セミナー」により SDGsへも理解を深めるなど、学生の自立心の醸成を促すきめ細かい指導がなされている。本プログラムは長期にわたる継続的な点検がなされた結果、きわめて洗練されたプログラムとなっている。』とあり、『プログラムの主要な問題点』には『問題点はみつからない。』とありました。確かに、前回の受審(2015年)でC判定(ACWD判定)を受けた2つの項目、「技術者像に対する認識の不足」と「学生実験室の環境の改善」については、これまで学科で行っていた「ポートフォリオ」を、「何を学び、身に付け、そして社会の中で技術者としてどのように活躍していくのか」を志向した改善的発展のために「マイキャンパスプラン」を実施するようになり、また、大学への働きかけが実を結び、6号館2階に換気設備が充実した新しい応用化学実験室を整備して頂きました。他にも、前回の受審から今回の受審までの間に、大学レベル、学部レベル、学科レベルで様々な教育改善が進められ、施設・設備の充実、学生の要望への配慮、学生の基礎力向上、学士力の強化などが進められてきました。新型コロナウイルス感染症の影響により、ビデオ会議システム(Zoom)、学習支援システム(Google Classroom)、コミュニケーションツール(Slack)が採用され、メディア授業を実施する環境が整備されたことにより、対面授業の実施が困難な状況においても、シラバスに基づいた教育内容を担保する体制が構築されました。
それでは、応用化学科のプログラムには、本当に問題点はないのでしょうか。「洗練されたプログラム」との審査チームからの言葉は、「硬直したプログラム」とも受け取られるのではないか? 大学入試を取り巻く厳しい状況の中、大変貴重な理系人材を預かり、育て、社会に送り出す責任を果たすために、現在のプログラムの現状維持でも良いのでしょうか。応用化学科では、学科教員が一丸となって、自らカリキュラムの見直しに着手することを決めました。有機化学系、無機化学系、物理化学系の各分野において、これまで以上に科目間の連携を強化し、教育内容を精査して、科目名や開講時期を含めた大幅な刷新を進めているところです。これは、応用化学科が JABEEプログラムをスタートした 2004年以来の大規模なカリキュラムの再編となります。
新入生の学力レベルや学修意識は、少子化とコロナ禍の影響もあって毎年変化しています。応用化学科の教員にも新しい人材が加わっております。応用化学科では、次年度(令和5年度)からリニューアルしたカリキュラムで新入生を迎えます。JABEEプログラムを継続しながらも、コロナ禍で学んだ対面での授業や実験実習の大切さを忘れず、一人一人の学生としっかり向かい合うことで、少しでも多くの自信をつけて学生が巣立っていけるよう、そして、巣立った学生がより一層社会で輝き、活躍できるよう、教育活動に取り組んで参ります。今後とも、応用化学科の学生の教育、JABEEプログラムにご支援、ご協力を賜りますよう、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
(応用化学科 JABEEプログラム責任者 松尾 司)