近大理工通信

令和4年度 近大理工通信(第2号)

令和4年10月7日発行

学生の活躍

理学科化学コース 三木健正さん(B4)が第11回CSJ化学フェスタ2021(オンライン開催)にて優秀ポスター発表賞を受賞

 理学科化学コース・有機反応化学研究室所属(指導教員:兵藤憲吾講師)の4年生 三木健正さんが2021年10月19日~21日に開催された日本化学会【第11回CSJ化学フェスタ2021(オンライン開催)】にてポスター発表を行い、優秀ポスター発表賞を受賞しました。

発表テーマ  シクロブタノン類への窒素導⼊型開環反応によるγアミノ酪酸エステルの合成

https://www.csj.jp/festa/2021/document/award.pdf

優秀ポスター賞は954件の発表から172件が選出され、大学院生が多く受賞する中、 学部4年生で受賞できたことは大変誇らしいことです。本当におめでとうございます!
 

(理学科化学コース 兵藤 憲吾)

理学専攻 上野那美 博士、竹腰真聡 学士、Anna Zaitceva 氏(Lomonosov Moscow State University交換留学生)、関西学院大学 尾崎幸洋 名誉教授の研究がJournal of Chemical Physics に掲載

理学専攻 森澤研(分光物性化学研究室)上野那美 博士(2020年度 修了)、竹腰真聡 学士(2019年 卒業)および 大学の世界展開力強化事業にてLomonosov Moscow State Universityから交換留学(2019年9月~12月)Anna Zaitcevaと関西学院大学 尾崎 名誉教授と共同で、「減衰全反射遠紫外分光法によるハイドレートメルト中の水の電子励起エネルギー増加の実証」がアメリカ物理学協会( American Institute of Physics (AIP) )が発行している雑誌Journal of Chemical Physics (Impact Factor 3.48)へ掲載されました。

これは科研費基盤(C)「水系電解質の電位窓拡張機構実証のための高濃度塩水溶液中の水の電子状態研究」の研究の一環として行った研究です。

ハイドレートメルトは日本で開発された、水を溶媒にしたリチウムイオン電導性液体です。水は不燃性で毒性もない安全な物質でありながら、安価で入手可能な資源です。リチウム電池の稼働電圧(約3V)において、通常の水性電解質では水の電気分解がおこり利用ができませんでした。しかし、ハイドレートメルトではこの電気分解が起こりません。その理由の一つに、ハイドレートメルト中での水の電子励起エネルギー上昇が関与しているという理論研究がなされていましたが、実験的な実証はされていませんでした。今回、森澤研が独自に開発している減衰全反射遠紫外分光法を用いて、従来では観測が難しい液体の遠紫外電子励起スペクトルを測定し、ハイドレートメルト中で水の電子励起エネルギーが普通の水に比べて大きく上昇していることを実証しました。
博士後期課程学生が最先端技術に興味を持ったことから始まった研究が、4回生・留学生と刺激しあい、様々な水溶液の精密な測定を通して実証にいたりました。

理学専攻、および、化学コースでは引き続き、SDGsに貢献する安全なイオン電導性溶液開発の研究に取り組みます。

Nami Ueno, Masato Takegoshi, Anna Zaitceva, Yukihiro Ozaki, and Yusuke Morisawa, J. Chem. Phys. 156, 074705 (2022); https://doi.org/10.1063/5.0071893
 

(理学科化学コース 森澤 勇介)

 2021年8月9日(月)から10日(火)にオンラインで行われた第53回若手ペプチド夏の勉強会において、総合理工学研究科理学専攻 博士前期課程1年生の西村美咲さんがポスター発表優秀賞を受賞しました。
「ジョロウグモ由来酵素のクローニングおよび機能解析」という題目で、ジョロウグモが吐き出す、アミロイド線維分解能を有する消化酵素の遺伝子クローニングに関する研究成果を発表しました。

物質系工学専攻博士後期課程 不動愛理さんが受賞

 第12回触媒科学研究発表会(令和3年6月4日・(一社)触媒学会西日本支部主催・オンライン開催)にて、「金プラズモニック光触媒による水の酸化反応に対する正孔移動助触媒の修飾効果」という題目で成果をポスターにて発表しました。金ナノ粒子上に正孔移動助触媒を修飾することで、酸化反応の活性を向上させることに成功した点が高く評価され、優秀ポスター賞を受賞しました。
 第41回触媒学会若手会「夏の研修会」において(令和3年8月5, 6日・(一社)触媒学会若手会主催・オンライン開催)にて、「表面状態の異なる金プラズモニック光触媒による水の可視光酸化」という題目で成果を口頭にて発表しました。熱処理により酸化チタン上に担持した金表面の酸化状態を変化させることにより水の可視光酸化反応が変化し、これは表面酸化層が正孔移動助触媒と同様の機能を示すことを示したことが高く評価され、口頭発表賞 第1位を獲得しました。
 18th Japan-Korea Symposium on Catalysis(第18回日韓触媒シンポジウム(令和3年11月23~25日・オンライン開催)にて、「Cocatalyst-free hydrogen evolution over Au/Ta2O5 plasmonic photocatalyst under irradiation of visible light」という題目で成果を口頭発表(英語)しました。金ナノ粒子を酸化タンタル上に修飾した材料がプラズモニック光触媒として機能し、助触媒不使用にも関わらず水素を生成することを見いだしたことが高く評価され、Best Presentation Awardを受賞しました。

(応用科学科攻 古南 博)

物質系工学専攻 博士前期課程 柴千尋さんと戸田響生さんが受賞

 (一社)触媒学会光触媒研究会 第40回光がかかわる触媒化学シンポジウム(令和3年7月16日開催・webポスター形式)にて、「酸素雰囲気における銅イオン共存可視光応答型光触媒を用いた水素生成反応」という題目で成果を発表しました。酸化タングステンと銅イオンを組み合わせた反応系から有酸素条件下にも関わらず水素が生成するという特異な反応系について各種手法を用いて検討し、非常に不安定な過酸化銅が鍵物質になるという反応機構を提案しました。研究の斬新さなどが高く評価され、優秀ポスター賞を受賞しました。

 18th Japan-Korea Symposium on Catalysis(第18回日韓触媒シンポジウム(令和3年11月23~25日・オンライン開催)にて、「Photocatalytic hydrogenation of carbonyl groups over titanium(IV) oxide modified with diol compounds under visible light irradiation」という題目で成果をポスター発表(英語)しました。ナフタレン系ジールを酸化チタン上に修飾することに可視光応答性が発現すること、また、臭素をナフタレン環に導入することで水素化活性が大きく向上するなどを明らかにしました。以上の成果が高く評価され、Best Poster Awardを受賞しました。
 

(応用科学科 古南 博)

物質系工学専攻 黒田愛莉さん 第67回有機金属化学討論会ポスター賞受賞

黒田さんと有機金属化学討論会ポスター賞の賞状
黒田さんと有機金属化学討論会ポスター賞の賞状

 2021年9月にオンラインで開催された「第67回有機金属化学討論会」において、近畿大学総合理工学研究科物質系工学専攻博士前期課程2年生の黒田愛莉さん(指導教員:松尾)が、ポスター賞を受賞しました。黒田さんは「かさ高いRind基を有するジアリ―ルゲルミレンおよびジハロジゲルメン」という題目で研究成果を発表しました。第67回有機金属化学討論会は、広島大学東広島キャンパスで開催予定でしたが、コロナウイルス感染症の影響により、オンラインのみの開催となりました。有機金属化学討論会では、高いレベルの討論会を維持するために発表者を上級研究者に限定しており、博士前期課程の黒田さんの受賞は快挙といえます。

(応用科学科 松尾 司)

機械工学科 植田奈央子さんが日本機械学会関西学生会卒業研究発表講演会にてBest Presentation Awardsを受賞

 機械工学科 学部4年(現総合理工学研究科メカニックス系専攻所属) 植田奈央子さんが日本機械学会関西学生会2021年度学生員卒業研究発表講演会にてBest Presentation Awardsを受賞しました。講演題目は「転がり軸受の軌道面温度測定に関する基礎研究」です。学生に口頭発表能力の重要性を認識してもらうことを目的とし、優れた発表を行った学生員に贈られるもので、副賞として表彰状および記念メダルも贈呈されました。

(機械工学科 宍戸 信之)

機械工学科 林田達さんが日本機械学会関西学生会卒業研究発表講演会にてBest Presentation Awardsを受賞

 機械工学科 学部4年(現総合理工学研究科メカニックス系専攻所属) 林田 達君が日本機械学会関西学生会2021年度学生員卒業研究発表講演会にてBest Presentation Awardsを受賞しました。講演題目は「一方向繊維/ガラス粒子強化三相複合材料の見かけの強度特性に及ぼす遷移配置の位置ずれの影響の解析」です。学生に口頭発表能力の重要性を認識してもらうことを目的とし、優れた発表を行った学生員に贈られるもので、副賞として表彰状および記念メダルも贈呈されました。

(機械工学科 宍戸 信之)