近大理工通信

令和5年度 近大理工通信(第3号)

令和5年10月6日発行

受賞・入賞

杉本邦久 教授(無機化学研究室)が日本結晶学会・学術賞を受賞

 理学科化学コースの杉本邦久 教授(無機化学研究室)が一般社団法人日本結晶学会の2022年度学術賞を受賞しました。高い輝度のX線を使った構造解析装置の性能向上と、それを活用した機能性を有する新しい無機化合物の研究が評価されての受賞となります。

受賞タイトル「放射光回折システムの高機能化と機能性材料の開発研究」
2022年11月26〜27日に関西学院大学にて開催される日本結晶学会年会にて、授賞式並びに受賞講演が行われました。益々の化学コースでの活躍が期待されます。
Web site https://crsj.jp/news/2022/221028award.html
 

(化学コース 神山 匡)

淺野和典 教授が日本鋳造工学会総会にて「西山圭三賞」を受賞

受賞式の様子(右:淺野教授)
受賞式の様子(右:淺野教授)

 機械工学科 淺野和典 教授が、2022年5月21日に行われた公益社団法人日本鋳造工学会総会にて、「西山圭三賞」を受賞しました。

 「西山圭三賞」は鋳造に関する学問及び技術の進歩・向上に寄与したものに贈られる賞で、淺野教授は「鋳造複合化に関する研究」をテーマに、複合化による鋳造材料の特性向上に関する研究を始めとして、鋳鉄の組織や諸特性に及ぼす微量元素の影響に関する研究において有用な成果を挙げたことが評価され、受賞されました。
 


賞状ならびに副賞
賞状ならびに副賞

(機械工学科 宍戸信之)

朝倉博行 講師がThe Dale Sayers Young Scientist Awardを受賞

The Dale Sayers Young Scientist Award
The Dale Sayers Young Scientist Award

 応用化学科の朝倉博行 講師(物質機能化学研究室)がInternational X-ray Absorption Societyの2022年度 The Dale Sayers Young Scientist Awardを受賞しました。X線吸収・発光分光を用いた機能性材料の研究が評価されての受賞です。
 2022年7月10〜15日に行われたXAFS2022国際会議にてオンラインで授賞式が行われました。

(応用化学科 松井 英雄)

鬼頭宏任 准教授が一般社団法人量子生命科学会の2022年度研究奨励賞を受賞

量⼦⽣命科学会第4回⼤会の表彰式にて(写真左から、齋藤雄太朗 先生(東大・院・工)、平野俊夫 会長、鬼頭先生)
量⼦⽣命科学会第4回⼤会の表彰式にて(写真左から、齋藤雄太朗 先生(東大・院・工)、平野俊夫 会長、鬼頭先生)

 鬼頭宏任 准教授が一般社団法人量子生命科学会の2022年度研究奨励賞を受賞いたしました。
 量子生命科学会は、最先端の量子技術を用いて従来不可能であった極微の空間・時間スケールあるいは超高感度での生体内部の観測や生体分子の計測を実現することや、量子論・量子力学を基盤として生命全般の根本原理を解明し医療・工業・環境・エネルギーなどの多分野において革新的産業応用等を目指す新規学術領域の普及・発展を目的とし、2019年に発足した新しい学会です。
 今回は、「生体分子系における電子およびエネルギー移動の理論的解析手法の開発: 光合成タンパク質やDNA系などで見られる電子や励起エネルギーの移動ダイナミクスを理論的に解析するための第一原理的な手法の開発を行い、それらの化学反応を支配する物理的なメカニズムを解明する新たな方法論を構築した」業績が受賞対象となりました。

(エネルギー物質学科 須藤 篤)

大塚哲平 教授が2022年プラズマ・核融合学会にて第2022技302号技術進歩賞を受賞

 大塚哲平 教授がプラズマ・核融合学会の第2022技302号技術進歩賞を共同受賞し、2022年プラズマ・核融合学会において表彰を受けました。 
共同受賞者は核融合科学研究所 芦川 直子 氏、増崎 貴 氏、量子科学研究開発機構 朝倉 伸幸 氏、および茨城大学 鳥養 祐二 氏です。受賞タイトルは「微粒子に蓄積するトリチウムの測定技術開発とJETで生成されたダスト分析への適用」です。 
 本成果は、世界七極(日本、米国、欧州、韓国、中国、インド、ロシア)で建設している国際熱核融合実験炉ITERのブローダーアプローチ(BA)研究の一環として、日本と欧州核融合研究共同体 Eurofusionとの共同研究で得られたものです。イギリスの核融合研究機関のもつ核融合実験炉JETにおいてITERを模擬したプラズマ対向壁を利用した核融合実験が行われています。ITER以降の金属製プラズマ対向壁をもつ核融合実験炉では、金属がプラズマによって削られたために粉末状粒子(ダスト)が発生し、ダストに放射性水素同位体トリチウムが蓄積してしまいます。本賞は、さまざまな種類の金属製ダストにどれくらいのトリチウムが蓄積したのかを測定するために行った技術開発の成果に対して与えられたものです。ご興味をもたれましたら、ぜひ下記の論文をご参照ください。
T Otsuka et al 2022 Phys. Scr. 97 024008 (OPEN ACCESS)
DOI 10.1088/1402-4896/ac445b
 

(エネルギー物質学科 須藤 篤)