近大理工通信
令和6年度 近大理工通信(第4号)
令和6年10月3日発行
ヘッドライン
ICT活用による国際的修士育成プロジェクト:世界がキャンパス!!
近畿大学教育改革・学生支援プロジェクト「ICT活用による国際的修士育成プロジェクト」(代表:応用化学科教授 今井喜胤、分担:エネルギー物質学科教授 中井英隆)において、物質系工学専攻の学生を対象に、ICT活用による国際的修士育成プロジェクト:世界がキャンパスを実施しました。
本プロジェクトチームは、これまで、コロナ渦、海外との交流の接点が狭まる中、教養・基礎教育部門の荒木瑞夫教授、照井雅子准教授、吉田諭史講師、三木浩平講師に御協力いただき「国際的学士・修士育成のための国際横断グローバルプロジェクト:世界がキャンパス」プロジェクトを実施しています。そこで、引き続き、ZOOMなどのオンラインツールを活用し、(1) バーチャル海外探訪を実施しました。さらに、(2) VRを駆使して、化学実験に関する特別安全講義、有機化学に関する体験型特別講義、自己表現力強化講義を実施しました。
まず、引き続き、「世界がキャンパス」を合言葉に、大学院総合理工学研究科物質系工学専攻の博士前期課程1年生を対象に、リアルタイムオンライン海外交流を行いました。
オンライン交流のメリットは、通常はめったに行く機会がない場所、あるいはいけない場所に、バーチャル訪問できる点です。そこで、JICA(独立行政法人国際協力機構)のオンライン出前講義を日本の大学として初めて活用し、理系出身の青年海外協力隊(ボツワナ赴任中)と協力し、アフリカ大陸のボツワナとZOOMオンライン中継で結び、現地での活動等を紹介いただきました。学生には、実際に現地にいるリアル感で、アフリカにおける青年海外協力隊の活動を実感する機会を提供することができました。本取り組みは、JICAのHPでも紹介されました(図1)。
VRの活用では、まず、株式会社住化分析センターとの特別コラボレーション企画として、理工学部生の化学実験補助(TA)に携わる大学院生を対象に、VR教材を活用した特別安全講義を実施しました。VRの最大の利点は、現実には体験しては危険なこと、体験できないことを、バーチャルで体験できる点です。そこで、化学実験に関わる危険作業や危険な化学現象をVRで擬似体験させ、大学院生に、化学実験において、間違った操作がいかに危険か、どのような操作をすれば事故が起こるかを学習してもらいました(図2)。
ZOOMにはアバター機能があり、個人情報はもちろん、顔を出す必要もなく、気軽に自己表現できる点が特徴です。そこで、WDBエウレカ株式会社との特別コラボレーション企画として、化学系学生に特化した自己表現力強化・就職活動支援のひとつとなる「ZOOMのアバター機能を使った化学系グループディスカッション」を実施しました(図3)。リアルな友達同士でのグループディスカッションでは、恥ずかしいところもあったが、アバターでは個人情報が伏せられるため、気兼ねなくディスカッションすることができ、自己表現力の強化が行えました。
最後に、本プロジェクトは、理工学部学生センターの多大なる協力のもと、近畿大学教育改革・学生支援プロジェクト助成金によって実施されました。ここに感謝申し上げます。
参考HP: https://www.apch.kindai.ac.jp/laboratory/imai/
https://www.emat.kindai.ac.jp/laboratory/nakai/
(物質系工学専攻 今井喜胤・中井英隆)
「すすめよう!無電柱化!スペシャルトークショー」開催
2023年9月14日、国土交通省近畿地方整備局主催の「すすめよう!無電柱化!スペシャルトークショー」が11月ホール1Fロビーで開催されました。このトークショーは、災害時における広域緊急交通路が確保するとともに、安全で快適な歩行空間の確保や良好な都市景観の形成に向けたまちづくりを可能とする電線共同溝の整備による無電柱化を多くの方に知っていただくためのイベントです。トークショーには、国土交通省ベビーカーマーク普及キャンペーンモデルの西脇彩華さん、NPO法人電線のない街づくり支援ネットワークの井上利一さんに加え、理工学社会環境工学科の河井克之教授もパネリストとして出演しました。トークショーの中では、聴講者へのクイズや、理工学部学生へのインタビューの時間もあり、楽しい雰囲気の中で国内外の電柱事情や、無電柱化の意義を学ぶことができました。
(社会環境工学科 河井克之)