学部長挨拶

それぞれの夢を実現しよう!

近畿大学経営学部は、1949年に商学部として創設されました。その後、商学部は商経学部へと発展し、2003年の改組で今日の経営学部となりました。改組当初は経営学科と商学科の2学科でスタートしましたが、2006年に会計学科、2009年にキャリア・マネジメント学科を新設し、学術研究および専門教育の深化と多様化を図ってまいりました。また、外国語教育とスポーツ教育の拡充を図るため教養・基礎教育部門を新たに設け、時代に即した学部教育へと改革を行ってまいりました。

近年では、海外留学と接続する英語による授業プログラム、交換留学生と経営学部生が共に学ぶために英語のみで行われる授業、公認会計士などの資格取得を目指す授業プログラム、インターンシップの充実、企業と共同で新製品開発を進めるゼミ活動、企業データの統計解析手法を教授するオンライン授業などを導入し、常に最先端の研究・教育環境の整備を行っています。経営学部は近畿大学で最も歴史ある学部の一つであると同時に、企業経営の在り方や学問の発展に伴って変革を遂げてきたという意味で常に新しい学部であると自負しています。

経営学部で扱う経営学とは、企業をはじめとする組織の経営を対象とする学問です。「学問」とは、文字通り「学ぶ」こと、そして「問う」ことを意味します。企業経営について「学ぶ」べき内容は既知の事柄です。企業が有する経営資源を効果的に配分・活用して企業を発展させたり、効率性を高めたりするための理論と方法を学生は学びます。こうした理論と方法は完ぺきではありませんが、すでに確立されているという意味で既知です。
一方、学生が「問う」べき内容は未知の事柄です。「問う」とは、企業が直面している諸問題について「なぜ」という疑問を持ちその根本的原因を探ると同時に、問題の解決に向けて知恵を絞ることを指します。今日の企業が直面している問題は、経営資源の配分や経済的な効率性の追求だけではありません。社会的課題の解決、気候変動への対策、人権への配慮など、かつては経営学の対象外であった問題に今日の企業は直面しています。社会的課題、気候変動、人権が企業経営で問題になるのはなぜでしょうか。それは何を意味しているのでしょうか。経営学は実学であると言われますが、我々近畿大学が考える「実学」とは、未知の事柄の意味を学び取ることも含みます。「なぜ」と問うことは実学そのものです。

経営学部には「ビジネスの中核を担う企画力と実行力を持つ有為な人材を育成する」という理念があります。この理念の実現を目指す様々な授業やプログラムでは、経営学の専門知識を深く学び、そして企業が直面する諸問題の原因を真剣に問うことが学生に求められます。経営学部でのこうした学びと問いを通じて、学生が専門知識と能力を身につけ卒業後に社会で活躍するための基盤を形成すること、そして、個としての人格を高めることを経営学部では目指しています。

学部長

安酸 建二
KENJI YASUKATA
経営学部長