研究科長挨拶

高度な専門知識と合理的な判断能力を身に付けて、
自分の好きなことを仕事に、そしてなりたい自分に

システム工学研究科は、専門領域の壁にとらわれることなく幅広い学問分野を横断的に学べるように、専攻をシステム工学専攻の1つにまとめ、博士前期課程ではその中に6つのコースを配置した教育体制にしています。具体的には、近畿大学工学部における各学科に対応した「生物化学コース」「機械工学コース」「ロボティクスコース」「電子情報工学コース」「情報コース」「建築コース」の6コースで、広範囲な工学的学問領域を包含しています。いずれのコースでも、本研究科の教育・研究目標である「研究者や高度専門職業人としての技術者の育成」が達成できるように、高度な専門性を身に付けることができるカリキュラムが用意されています。また、所属するコース以外の「コース基礎」分野あるいは工学的実践である「特修」分野を履修して、学問分野を越えた総合力も修得する教育プログラムとしています。しかしこれらのカリキュラムをこなすだけでは修了生として不十分です。研究科の学生の多くが「自分の好きなこと」を持って(もしくは探しに)進学してきています。研究科ではカリキュラムに加え、担当教員の指導の下、主体的に「自分の好きなこと」に関する高度な専門知識と合理的な判断能力を身に付けるための研究を行っていきます。

私は、この研究を通じて、「自分の好きなこと」をとことん(自分なりに)極めてほしいと思います。そして、将来の「やりたい仕事」「なりたい自分」につなげていってほしいと思います。研究科修了後、社会に出て仕事に就くと必ずきつい時、つらい場面が何度か訪れます。しかし、やっている仕事が「自分の好きなこと」ならば頑張れる、乗り越えられるはずです。そして、人に頼られる、社会に貢献できる高度技術者・研究者・建築家になってほしいと思います。私の場合、「自分の好きなこと」が大学院博士前期課程で取り憑かれた「建築鉄骨構造に関する研究・開発」でした。修了後、民間企業の研究所・大学の付置研究所・近畿大学で「自分の好きなこと」に関連する仕事をすることができました。もちろん大変なこともありましたが、学部生の時に大学院に進学する選択は大正解でした。

本研究科では、すべての教職員が高度専門性・課題解決力・グローバル活動力・人間性及び課題を俯瞰する総合力を重視した教育に取り組んでいます。そして、今後もすべての在学生に“進学して本当によかった”と、修了時に“きつかったけど楽しかった”と言ってもらえるように尽力し、生涯にわたって社会に貢献できる人材を輩出していきます。

崎野 良比呂 研究科長

崎野 良比呂
SAKINO YOSHIHIRO
システム工学研究科長