教育・研究の目的
システム工学研究科の教育・研究の目的について
システム工学研究科の教育・研究の目的は、研究者や高度専門職業人としての技術者の育成にあります。
基礎的な原理の理解や複雑な現象の解明、あるいは既存の技術の修得のもと、広い視野に立った工学の方法を身につけ、人間と自然が共存できる社会の構築に寄与することを教育・研究の目標としています。特に、実益的な技術との連結を重視しながら、多分野にわたる広いシステム的思考に基づいて、ますます複雑化する技術課題に、多様な解決策を提言できる研究者や高度専門職業人としての技術者の育成を目指しています。また、人間の快適な生活や福祉に役立つさまざまな製品の開発や生産技術に関して、基礎工学から専門技術までを包含した教育・研究を幅広く展開しています。複雑化を増している工学分野の様々な課題に、広い視野と探究心及び倫理観と先進的な指導力をもって果敢にチャレンジし、国際社会及び地域社会で活躍できる人材を育成します。
具体的な人材像は以下のとおりです。
- 高度な工学的専門的知識と研究・調査能力を有する研究者
- 高度専門職業人として企業の開発・設計・製造・品質管理等の分野で活躍する技術者
- 高度な工学的専門的知識とコミュニケーション能力を有する企業人・教員・公務員
システム工学研究科のカリキュラム編成上の特色
システム工学研究科は、博士前期課程と博士後期課程からなる一専攻の研究科です。これまでの大学院の教育・研究が科学技術を細分化し、深化させる方向であったのに対し、本研究科は、分野横断的な総合力を備えて課題解決に取り組むことができる高度専門技術の獲得を目指すことを特色とした、新たな発想のカリキュラムを編成しています。
博士前期課程では、学士課程に対応した、「生物化学コース」、「機械工学コース」、「ロボティクスコース」、「電子情報工学コース」、「情報コース」、「建築コース」の6つの学問分野についてカリキュラムを組み、高度専門的な教育・研究体制を採用しております。また、専門科目に加え、「基礎数理科学」分野では基礎から応用までの数学力を、「国際・キャリア」分野では倫理性及び英語伝達力を修得し、所属するコース以外の「コース基礎」分野あるいは工学的実践である「特修」分野を履修して、学問分野を越えた総合力を修得する教育プログラムとしています。「特修」分野では、他大学院、公設あるいは民間の研究機関での研修やプロジェクトへの参加を通して、実学教育の充実を図っています。博士後期課程では「特殊研究」を行って、専門分野についての体系的知識や技術をさらに深めるとともに、主体的に研究活動を展開することにより、深奥を究める探究力と学際分野の課題を解決するに至る道筋を提案できる力を育成します。