工学のオモシロさを皆さんにお届けします!! てくたまラジオ近大工学部潜入レポート!! 全6回シリーズ

てくたまラジオ近畿大 学工学部潜入レポート

第1回機械工学科のゴイト・ジェイ・プラカス先生の研究室に潜入!!

2020年6月25日(木)21:10~広島FMで放送

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今年の潜入レポートは機械工学科のゴイト・ジェイ・プラカス先生の研究からスタート!

q.ゴイト先生はどちらの国のご出身なんですか?

ネパールです。約15年前に日本に来ました。日本の海が大好きです。

q.ズバリ!先生はどんな研究をしているんですか?

大型風力発電システムの性能を向上させる研究をしています。

Q.風力発電って、海沿いや山の上にある、あの白くて大きな扇風機みたいなものですか?

商用風車の大型化

その通りです。一般的なもので高さ約100m、3枚付いている羽根は直径80mぐらいの大きさです。羽根の直径は、一般的な旅客機とほぼ同じです。

Q.ゴイト先生が研究されている「大型風力発電システムの性能向上」ってどういうことですか?

たくさんの風車を一か所に集めたウィンドファームにおいて、効率よく発電する方法を探っています。

Q.一つのウィンドファームに、風車は何基くらい設置されますか?

ウィンドファーム内風の流れ

私が研究で用いた最大のものでは50基程度ですが、イギリスの海上にあるLondon Alleyで175基の風車が集まっています。

Q.すごい!効率よくたくさん発電させるには、どんなところがポイントになりますか?

ポイントは「風車の設置距離」と「風の流れ」ですね。

Q.風車の設置距離とは?

ウィンドファーム内の風車間の距離を短くしすぎると、個々の風車の発電効率が低くなります。逆に、風車間の距離を長くすると、発電効率はよくなるものの土地代や送電線敷設で費用が高くなるんです!

Q.そうなんですね!ちなみに1基風車を立てるのに、おいくらくらいかかるんでしょうか?

一番よく見るタイプの風車で1基あたり5億円くらいかかります。

wow

5億円!マイ風車は無理か・・・

Q.さらに風の流れも重要なんですよね。目に見えない風をどうやって研究するんですか?

ウィンドファームのシミュレーション

このようにコンピューター上で風の流れをシミュレーションし、可視化しています。

この気流のようなものが風の流れなんですね

Q.ちなみに、どれくらいの風速が風力発電にとってちょうどいいのでしょうか?

およそ毎秒12m程度ですね。風速が強すぎると風車が壊れてしまいます。

Q.1基の風車で年間どれくらいの電力を生み出すんでしょうか?

一般的な風車で2,000kW。先進国ですと、およそ1,000世帯分の電力を賄えます。

Q.風力発電はこれからもっと必要になってくるんですか?

環境にやさしい安全なエネルギー源である風力発電は、これからさらに求められていくと思います。特にアジアの発展途上国で導入する研究を行っていきたいです。

最後に、10代にメッセージをお願いします!

自分の好きなことを見つけてほしいですね。それが将来につながると思います。風が気持ちいいと感じたら、風力発電の研究に向いているはず。一緒に研究しましょう。

次回は情報学科に潜入します。