BATON

子供3人分の教育費用を賄うために、経理事務のパート勤務で約11年間近所の工場でお世話になっていましたが、末っ子の中学受験を機に転職を考えました。独身時代に輸出用の船積書類を作成する仕事をしていたこともあって、貿易実務でのフルタイム勤務を目標に、職業訓練校で資格を取得し直し、転職活動をしました。しかし第1志望の会社の求人広告には、『大卒以上』という採用条件が書かれており、専門学校卒の私は、エントリーシートさえ受け付けてもらえない現実に、悔しい思いをしました。第2志望には転職できたものの、大卒の資格が欲しいという気持ちと大学で本格的な英語の授業を受けてみたいという気持ちだけで、気がつけば近畿大学通信教育部の入学手続きをしていました。

入学後、大量に届いた教科書に戸惑いながらも、開いた中国語の教科書はチンプンカンプン、憲法の教科書は、漢字も意味も全く理解できず、毎回調べながらの学習はなかなか前に進みませんでした。それからしばらくの間は、学習意欲が低下して、辞めるか悩んだくらいでした。しかし、子供達のアドバイス通り、中国語は寝る前にアプリで10分を1年間毎日つづけ、法学は、行政書士向けの可愛いアニメの動画を繰り返し隙間時間に見て、慣れない法的思考力を体になじませました。また勉強道具を可愛くして、機能的なものにしてモチベーションを上げました。そして、自学自習に限界を感じ、スクーリングを申し込みました。スクーリングでは先生方が、授業はもちろん、面白く為になる話をしてくださったり、わかりやすくレポートの参考になるレジュメをくださったりで出席する事が楽しくて仕方なかったです。

〈レポート〉
最初は何回提出しても不合格でした。自分を否定された気分になり、落ち込むこともありましたが、先生のフィードバックをしっかり読んでやり直ししているうちに次第に合格するようになりました。今振り返ると、何を問われているのかをよく読まず、考えずでした。やっと合格した時に、先生のコメントに「よく頑張りましたね」と温かい言葉があり、涙が止まりませんでした。
〈スクーリング〉
下書き程度のレポートを作成してから、出席していました。事前に作成をすると必然的に教科書をよく読むことになるので、理解度が違い、更にレポートの自己添削もできて一石二鳥でした。
〈卒論〉
個人的な感想ですが、刑事政策と子育ては共通するものがあり、刑法を選択しました。自分にとって身近なテーマを選んだ事で興味をもってたくさんの本や論文を探す事ができ、１回で合格した上に「優」を頂きました。

私はとにかくスクーリングを片っ端から受講して、勉強せざるを得ない状況を作りました。スクーリングは、法学に拘らず、まるでカルチャースクールの様な感覚で、子供達が専攻しているプログラミングや経済原論など様々な分野にも挑戦して、楽しみました。昼間の学生さん達と外国語課外講座をオンラインで受講したこともいい思い出です。また、普段は隙間時間を利用し、毎日短時間勉強を続けていました。特に寝る前は、ベッドのなかでアプリ、YouTubeで学習し、記憶の定着を計っていました。

私が入学してすぐ、コロナや戦争が始まりました。学べることが、とても幸せなことだと気づかされました。だから、私は卒業後の今も学びを続けています。「知識への投資は、常に最高の利息がついてくる」様々なことを学ぶべば学ぶほど、得しかないので、楽しみながら一緒に学び続けましょう。