お米の研究(金賞健康米)
栄養成分を豊富に残した新しい白米を開発・販売。
食品微生物工学研究室 × 株式会社サタケ
米穀卸売業の幸南食糧株式会社(大阪府松原市)、精米機メーカーの株式会社サタケ(広島県東広島市)と食品微生物工学研究室が共同開発した「金賞健康米」が現在広く流通しています。
共同研究の発端は幸南食糧と食品微生物工学研究室との間で、栄養価の高い米を品種ではなく加工によって製出しようという構想が持ち上がったことでした。まず幸南食糧が削りを調整して胚芽の残存率を高める試みを行い、食品微生物工学研究室がビタミンEや食物繊維の残り量を分析。その結果、栄養成分が適当量残されていることは確認できたのですが、それだけでは製品としての訴求力が弱いと考えました。そこで栄養素の量を測るだけでなく、食品分野では応用例の少ないイメージング質量分析(MALDI-IMS)という手法を用いて、精米された米のどの部分にビタミンEや食物繊維などの栄養素が残されているかを可視化。一般的な白米との差異を消費者に対してわかりやく画像で提示できるようにしました。製品化のために、精米機メーカーであるサタケが独自に精米機を開発。幸南食糧、サタケ、食品微生物工学研究室と共同で、栄養成分を豊富に残したまま白い炊き上がりになる新しい白米の開発を実現しました。