大学生の時から血圧管理に関心を
血圧について
体の中には血液が絶え間なく流れており、全身に酸素と栄養を供給し、また体にいらなくなった老廃物や二酸化炭素を回収しています。全身に血液を送り続けるために、心臓はポンプのように血液を送り出しています。その血液が血管に与える圧力のことを血圧といいます。
血圧には、収縮期血圧(最大血圧)と拡張期血圧(最小血圧)があります。
- 収縮期血圧…心臓が血液を全身に送るときに、血管の壁に与える圧力
- 拡張期血圧…心臓が拡張して、血液が心臓にもどっていくとき血管の壁に与える圧力
血圧の値は心臓から送り出される血液の量と、末梢血管の抵抗で決まります。血圧は自律神経や外部環境の影響を受けたり、日常生活の様々な行動でも変動しています。一回の血圧値が少し高いからと心配しすぎることはありませんが、普段から高めの人は、心筋梗塞や脳卒中などの大きな病気につながる可能性があるので注意が必要です。
高血圧と合併症
日本高血圧学会のガイドラインでは、医療機関で測った値で収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上に該当するものを高血圧と定義しています。発熱や頭痛のような症状を出してサインをおくってくれないのが高血圧の怖さです。
血管はとても弾力性のある組織ですが、硬くなった血管を「動脈硬化」といいます。
ホースを想像してみてください。長年使っていると硬く、また水以外のものを流していると中に汚れが付着して流れが悪くなり、つまったり、あまり勢いよく流そうと圧をかけるとホースに亀裂が入ったりします。似たような状態が血管でも起こっているのです。血管は年齢とともに動脈硬化をおこしていきます。また、高血圧や糖尿病・高脂血症などは、この動脈硬化を促進させる原因になります。さらに動脈硬化が進行すると、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気を引き起こす危険が高くなります。
脳卒中とは、脳の血管が詰まったり(脳梗塞)、破れたり(脳出血・クモ膜下出血)する病気で、麻痺などの後遺症を残すことが多く、場合によっては亡くなることもある恐ろしい病気です。
心筋梗塞とは、動脈硬化により内腔が狭くなった心臓の血管(冠動脈)がつまり、緊急に治療を始めないと死亡してしまう危険な病気です。
高血圧の予防
塩分を取りすぎると高血圧になるの?
よく塩分(塩化ナトリウム)を取りすぎると血圧は高くなるといいますが、なぜ高くなるのでしょうか。
血液中の塩分濃度は、一定に保たれています。皆さんも辛いものを食べると、喉が渇いて水を大量に飲んだという経験があると思います。血液中の塩分濃度が上がると、体は塩分濃度を一定に保つために血管内に水分を引き込み、その結果、血液量が増え血管にかかる圧が高くなり血圧が上昇するのです。
本来、腎機能が正常であればこのナトリウムは水分と一緒に尿として排出されますが、腎機能は年齢とともに低下してくるため、結果的には上手く排出されないで、血圧が正常範囲に戻りにくくなっていきます。
また、ナトリウムには交感神経を働かせる作用もあり、それによっても血圧は上昇します。日本の食習慣には、もともと味噌や醤油、漬物などの食塩を使った加工品や調味料が多いので、塩分を多く摂りがちです。若い頃から塩分の多い食べ物を摂り過ぎると、薄味では満足できず次第に習慣化していきますので注意をしましょう。
太ると血圧は高くなるの?
高血圧の人の過半数に肥満がみられます。減量は、高血圧の予防だけでなく、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病の改善・予防にもつながり、高血圧の合併症である心筋梗塞や脳卒中の予防にもなります。
適正な体重を維持するために、定期的に体重を計測し、食べすぎに注意することと、ウォーキングなどの有酸素運動をおすすめします。
まずは自分の血圧の値を知り、興味をもつことから健康管理を始めましょう。メディカルサポートセンターでは、どなたでも簡単に血圧測定ができるように、事務室前のロビーに自動血圧計を設置しました。
一度、血圧を測りに来てみませんか。