食生活について

食生活は、嗜好性や習慣性が影響してきます。親元を離れ下宿生活をしていると、外食をする機会も多いのではないでしょうか。また、アルバイトをしている場合などは、食事時間が不規則になったり、手軽に食べられるファーストフードで済ませたりしていませんか?毎日の食事は、健康な体を作るとともに、活動に必要なエネルギー源となります。特に、学生の間に正しい食習慣を身につけておくことは、将来生活習慣病にかかるリスクを減らす上でも大きなポイントとなります。できるだけ規則正しい食生活を心がけましょう。

  1. 一日3回、規則正しく食事をしましょう
  2. バランスの良い食事を摂りましょう
  3. インスタント食品・ファーストフード・スナック菓子はできれば避けましょう
  4. 塩分を減らす工夫をしましょう
  5. 清涼飲料水の飲みすぎに注意しましょう
  6. 脂肪は摂り方を工夫しましょう
  7. 腹八分目を心がけ、しっかり噛んで、ゆっくり食べましょう
  8. 自分の適性体重を知って、活動に見合った食事をしましょう
  9. 楽しく食事をしましょう

一日3回、規則正しく食事をしましょう

食事は体を作る源です。最近では朝食を抜く人が増えているようですが、朝食は一日の活力源にもなります。食生活の乱れや栄養素不足で勉強に集中できない、体がだるいなどの症状が現れることがあります。それではせっかくの学生生活も楽しめません。規則正しい食習慣は体のリズムを整えると共に、便通の調整にも効果的です。
また、過度なダイエットは骨粗鬆症を引き起こしたり、女性では生理が止まってしまうこともあるので注意が必要です。

バランスの良い食事を摂りましょう

体を構成する上で必要な栄養素は、エネルギーになる成分であるタンパク質・炭水化物・脂肪、体の働きに重要な役割を果たすビタミン・ミネラル、最近では第6の栄養素と言われている食物繊維(腸の働きを助けてくれる)です。これら全ての栄養素をバランスよく摂ることが健康を保つ上でたいへん重要です。
そこでお勧めなのが、一日3食30品目を摂る『まごわやさしい食事』です。

[ま]:豆(豆類、味噌、豆腐など)
[ご]:ゴマ
[わ]:わかめ(海藻類、こんぶ、わかめ、ひじきなど)
[や]:野菜
[さ]:魚
[し]:しいたけ(キノコ類、しめじ、しいたけ、えのきなど)
[い]:いも(芋類、じゃがいも、さつまいも、里芋など)

間食にはスナック菓子ではなく季節の果物を摂るようにすると、ビタミンやミネラル、食物繊維などの微量栄養素が補えるのでおすすめです。

インスタント食品・ファーストフード・スナック菓子はできれば避けましょう

これらの食品には、食品添加物や塩分、脂肪、糖分が多く含まれています。そのために高カロリーである反面、体に必要な栄養素が不足しています。このような食生活を続けていると代謝が崩れて、冷え性・便秘・肥満・貧血・肌荒れ・むくみ・免疫力の低下などの症状が現れてきます。過剰な摂取は生活習慣病につながる恐れもあります。さらに女性はカルシウムの欠乏による骨粗鬆症や、女性ホルモンのバランスの崩れから月経不順や不妊症にもなりやすくなります。

塩分を減らす工夫をしましょう

一日の塩分摂取量の目安は10g以下と言われています。塩分は高血圧との関連性が高く、塩分を過剰に摂り過ぎると、のどが乾いて水分を多く摂るため、体液(血液)が増えて血圧が上がるとも言われています。
普段の食生活では加工食品の摂取を控えたり、ラーメンなどの汁を残す、レモン・柚子などの柑橘類や、こしょう・にんにくといった香辛料を利用するなどの工夫をすると良いでしょう。

清涼飲料水の飲みすぎに注意しましょう

一日の砂糖摂取量の目安は20g程度が適当と言われています。普段皆さんがよく飲用する清涼飲料水には糖分がたくさん含まれています。スティックシュガーの本数(1本3g)に換算すると…

  • 清涼飲料水のペットボトル(500ml)1本:多い商品で16本
  • 某缶コーヒー(小)1缶:5,6本

最近よく見かける「ノン」「ゼロ」の表示も、糖分が全く入っていないわけではないので注意してください。冷えたドリンクは糖分がたくさん入っていても、甘さを強く感じないのが特徴です。
清涼飲料水を飲みすぎると、糖代謝にはビタミンB1が使われるために、ビタミンが消耗されてイライラしやすい、疲れやすいといった症状が現れます。また、最近10~20代に増えている『ペットボトル症候群』と呼ばれる急性の糖尿病を発症することがあるので注意が必要です。

※ペットボトル症候群:
ジュ―スなどの清涼飲料水を飲み続けると、糖代謝のバランスが崩れて高血糖状態になり、強いのどの渇きや体重減少、倦怠感といった症状が現れます。

脂肪は摂り方を工夫しましょう

「脂肪=体に悪いもの」という良くないイメージがありますが、脂質は大切なエネルギー源であり、細胞膜やホルモンの材料、脳など神経組織の原料にもなっています。そのため不足すると体がうまく機能せず、病気に罹りやすくなります。
脂質には肉や乳製品などの動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸と、植物性油や魚などに含まれる不飽和脂肪酸があります。不飽和脂肪酸の中でも、サバやいわしなどの青背の魚に含まれるn-3系脂肪酸は、脳の働きには不可欠であると共に虚血性心疾患のリスクを減らすことがわかっています。一方、飽和脂肪酸の摂り過ぎは動脈硬化を招く原因のひとつになります。
脂肪を減らす工夫として、揚げ物よりは網焼きやしゃぶしゃぶなどで脂を落とす調理方法にしたり、調理器具もテフロン加工されたフライパン・レンジ・オーブンなどを利用するとよいでしょう。

腹八分目を心がけ、しっかり噛んで、ゆっくり食べましょう

「腹八分目に医者いらず」とよく言われるように、食べ過ぎないことが健康の秘訣です。
また、しっかり噛むことで以下のようにたくさんの効果が得られます。

  • 満腹中枢が刺激されダイエットに効果的
  • 脳への血流量が増し脳細胞が活性化
  • 歯や顎の成長を促進する
  • 口の中の自浄作用が高まる
  • 表情筋を刺激するので表情豊かになる

自分の適性体重を知って、活動に見合った食事をしましょう

毎日の生活の中で、消費するエネルギー以上に過剰に摂取することが肥満の原因になります。健康の維持・増進のためにも積極的に体を動かしましょう。
体格の自己診断をするにはBMI値

BMIとは、体格指数のことで肥満や痩せを判断する時に用いられる基準です。
体重(kg)÷身長(m)2で求められ、BMI指数22前後が最も病気にかかりにくい数値と言われています。
肥満になると、血糖を下げるインスリンの働きが悪くなるので、ますます体脂肪が蓄積して生活習慣病にかかりやすくなります。

楽しく食事をしましょう

食事は生きていくために大切なことであり、五感(視覚・味覚・臭覚・聴覚・触覚)を刺激し心と体を満足させてくれます。楽しみながら食事を摂ることで、家族や周りの方との交流ができ絆も深まります。

特に旬の食材は、季節に応じて必要な栄養素を豊富に含んでいます。おいしくて比較的安価であるため積極的に利用しましょう。