風疹について
風疹の流行が全国的に見られており、特に首都圏や関西地方で感染が拡がっています。国立感染症研究所の発生動向調査では、5月15日の時点で、全国で約6,725人の患者数が報告されており、既に昨年1年間の報告数の2倍を軽く超えた数になっています。
(国立感染症研究所から引用)
(大阪府立公衆衛生研究所から引用)
感染者増加数は大阪府が際立って多く、大阪府内では5月14日の時点で1,001例の報告があり、昨年同時期の30倍を越える報告数となっています。風疹患者の約7割は男性で、20~40代前半が多くなっています。
この原因は、過去の風疹ワクチンの予防接種状況が年齢によって異なり、予防接種を受けていない人や1回のみで抗体が不十分な人がいることで、その年代を中心に感染が広がっていると考えられています。
風疹はどんな病気?
風疹の感染経路は飛沫感染で、主に感染者の咳やくしゃみによる唾液のしぶきを吸うことにより感染します。感染後は2~3週間の潜伏期間を経過したのち、軽い風邪症状で始まり、発疹(紅く小さく全身に見られる)や発熱、リンパ節(主に耳の後ろのリンパ節)の腫れなどが現れます。しかし、発熱は約半数に見られる程度で、全ての症状が揃わない人も多く、感染しても症状が出ないまま免疫ができてしまう人(不顕性感染)が約15~30%います。
感染力があるのは、発疹の出る2~3日前から発疹が出た後の5日くらいまでと言われていますが、感染力は麻疹や水痘ほど強くはありません。
通常は自然に治りますが、まれに脳炎、血小板減少性紫斑病などの合併症を起こすことがあり、大人が風疹に感染した場合は、子どもに比べて発熱や発疹の期間が長く、強い関節痛が出ることも多いと言われています。
風疹で怖いのは赤ちゃんが先天性風疹症候群(CRS)になることです!
妊婦(特に妊娠初期)が風疹に感染すると、お腹の中にいる赤ちゃんが風疹ウイルスに感染して、生まれつきの心臓病、難聴、白内障、精神や身体の発達に遅れが生じるなどの障がい(先天性風疹症候群)をもった赤ちゃんが生まれてくる可能性があります。
風疹の予防接種は、妊娠中および妊娠している可能性のある人は受けることができませんので、この機会に予防接種を済ませておくことをお勧めします。(接種後は少なくとも2カ月間の避妊が必要になります)
また、妊婦が風疹になる原因として、パートナーである夫や同居している家族から感染する場合もありますので、男性の方も同様に予防接種を済ませておくことが大切です。
風疹からの感染予防について
- 予防接種を受けることで風疹に感染することを予防できます。
風疹ワクチンには、風疹単体ワクチンとMR(麻疹・風疹混合)ワクチンがあり、いずれも2回の接種が推奨されています。
過去に何らかの理由で予防接種を受けられなかった方や、1回接種のみの方は、接種しておかれることをお勧めします。(母子手帳で接種の有無が確認できます)
風疹ワクチンの予防接種は、内科や小児科(大人には接種していない医療機関もあります)で受けることが可能です。最寄りの医療機関にお問い合わせください。
風疹は一度かかると、大半の人は生涯かかることは無いと言われています。
- 咳エチケット
- マスクを身につける。
(自分自身の感染予防だけでなく、人への感染も防ぎます) - 咳やくしゃみをするときはティッシュなどで口や鼻を覆う。
(使ったティッシュは適切に処理しましょう) - 咳やくしゃみをした後は必ず液体石けんと水で20秒以上手を洗う。
- 人混みを避け、また感染している人や感染が疑われる人との接触を極力避ける。
- マスクを身につける。
- 風疹は学校感染症の第二種に指定されているため、感染が確認された場合は所属の学部事務部に届出が必要です。
風疹への罹患が疑われる場合は速やかに医療機関を受診し、風疹と診断された場合は、「学校感染症治癒証明書」(PDFファイル)を所属の学部事務部へ提出してください。
出席停止期間は「発疹が消失するまで」と記載されていますが、医師の指示に従ってください。