突発性難聴について

突発性難聴という病名は、皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。
この病気は片方の耳に発症することが多く、少し耳が聞こえにくいと感じても痛みがないために、「そのうち治るだろう」と放置してしまいがちです。
しかし、治療が遅れると聴力が改善せず、難聴になる危険性を含んでいる怖い病気でもあります。

どのようにして音は、聞こえるの?

耳は、外耳・中耳・内耳からできています。
音は外耳から入り、中耳にある鼓膜を振動させ、耳小骨そして内耳にある蝸牛(かぎゅう)へと伝わり、蝸牛にある有毛細胞が電気信号に変換し、脳神経を経て脳に音として認識させます。
この音の伝わる経路のうち、どこかに障害が起こると難聴といい、音が聞こえにくくなります。
難聴は障害が起こる場所により、大きく伝音難聴と感音難聴の2つに分けることができます。
突発性難聴は、感音難聴に区分されます。

[伝音難聴]
外耳・中耳の異常で起こるザーといった、ラジオのノイズのような低い音の耳鳴り
耳垢がたまり外耳道が詰まった場合や、中耳炎などで鼓膜に炎症が起こる場合
[感音難聴]
内耳・聴神経の異常で起こるキーンといった高い音の耳鳴り
内耳にある蝸牛の障害によって起こる場合

原因は何?

一般的に原因は不明ですが、下記のウィルス感染説や血流障害説とする意見もあります。

[ウイルス感染]
ストレスなどで、免疫力が低下したとき、内耳にウイルスが感染して起こります。
[血流障害]
なんらかの血流障害が引き金となり、内耳にある蝸牛の有毛細胞に障害が起こり、脳に上手く電気信号が送れなくなったため起こります。
(糖尿病や心臓病などの生活習慣病の人に多くみられます。)

症状の現れ方

  • 難聴(急に片側の耳に起こることが多い)
  • 耳が詰まった感じ
  • 耳鳴り
  • めまい(一回限りの場合が多い)

治療の方法

副腎皮質ステロイドの投与が一般的ですが、循環改善薬、ビタミン剤などの投与も行われています。
しかし、何よりも心身そして耳の安静が重要です。
大きな音は避け、身体や心を休めましょう。

予防方法

  • ストレスをためない
    気分転換や休息をとり、疲れをためこまないようにしましょう。
  • 血行を良くする
    適度な運動(ジョギングなどの有酸素運動)をしましょう。
    半身浴などで、血液の循環を良くしましょう。

病気に気づいたら一刻も早く耳鼻科を受診しましょう!!

突発性難聴が疑われたら、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診し、治療を開始することが重要です。
難聴が発症してから、早期に治療を開始するほど予後が良好である(聴力が改善する)といわれています。遅くても発症から2週間以内に治療を開始することが望ましく、1カ月を過ぎると、予後は極めて不良になり、通常は著しい改善が望めないといわれています。
急に耳が聞こえにくいと感じたら、すぐに耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。