紫外線から体を守りましょう

紫外線とは

紫外線は、UV-A、UV-B、UV-Cの3種類に分けられます。最も有害と言われているUV-Cはオゾン層によって吸収されて地球には届きませんが、UV-Aは5月、UV-Bは8月に最も多くなり目や皮膚などへの健康被害が懸念されています。
また、紫外線は地表面からも反射しており、反射率は地表面の状態によって大きく異なります。例えば、新雪では80%、砂浜で25%、アスファルトでは10%と言われているので、帽子や日傘では防げない下からの反射紫外線にも対策が必要です。
近年、フロンガスによるオゾン層の破壊によって、地上に到達する紫外線の量は年々増加しており、それにともない健康被害も増加傾向にあります。
これからの時期は海や郊外へ出かける機会も増えてきます。
紫外線の予防法や日焼け後のケアなども記載していますので、ぜひ参考にしてみてください。

紫外線による健康への影響

紫外線には、ビタミンDを合成し骨を強化する作用や細菌やウィルスを殺菌する作用がありますが、紫外線を浴びることによって起こる様々な健康被害も指摘されています。
その中で問題になるのが皮膚がんです。これは、紫外線が遺伝子を傷つけたり、細胞を修復する機能を抑制することが原因と考えられています。
そして、目への影響もあると言われています。例えば、すぐに症状が現われるものとして、強い紫外線を浴びたことにより角膜が炎症を起こす紫外線角膜炎があります。雪山でゴーグルをせずに過ごして、目が真っ赤に充血して痛くなったというような場合がこれにあたります。
さらに紫外線を長期間浴び続けていると白内障や翼状片(白目の表面を覆っている組織が過剰に増殖して黒目に入り込んでくる病気)が起こりやすくなります。
この他に紫外線は、髪や頭皮を傷めたり、免疫力を低下させるので感染症にかかりやすくなります。

紫外線を予防するには

夏の紫外線は、日差しも強く気をつけますが、UV-Aがピークをむかえる5月前後は無防備に過ごしてしまいがちです。早めからの紫外線対策を行いましょう。

  • 日差しが強まる10~14時頃の外出をできるだけ控えましょう。
  • 皮膚の構成成分であるたんぱく質、紫外線対策効果のあるビタミンCやE、皮膚の免疫作用を高めるβカロチンなどを積極的に摂るようにし、バランスの良い食事を心がけましょう。
  • 日焼け止めクリームを使いましょう。
    日焼け止め選びの目安として、日常生活で浴びる紫外線を防ぐにはSPF10やPA+で十分です。屋外に長時間いる場合は、その程度に合わせて選択するとよいでしょう。
  • 日傘、つばの広い帽子、サングラス、長袖の服等を活用しましょう。
    *日傘は、紫外線遮断効果がある黒色がお薦めです。UVカット加工が施されていれば、なお好ましいです。
    *サングラスは、紫外線カット表示のある色のあまり濃くないものを選ぶようにします。色の濃いサングラスは瞳孔が開き、紫外線カットが不十分であった場合に紫外線を多く取り込むことになるからです。また、紫外線は地表面など様々な方向からも反射されているので、横までカバーされていればより効果的です。この他に、紫外線透過率が表示されている場合数値の小さい物ほどよく、できれば0.1%以下のものを選ぶとより良いでしょう。
  • 日焼けサロンの利用は極力控えましょう。
    日焼けサロンでの日焼けは、人工的にUV-Bをカットして、UV-Aだけを照射することによって日焼けを起こすものです。
    皮膚の色が黒くなるだけでなく、水泡やシミなどの障害が起こる可能性もあり、眼への暴露にも十分な注意が必要です。
    そのため、WHOでは、危険性を指摘し18歳以下の使用を禁止するように勧告しています。

日焼け後のケアは

  • 日焼け部分をしっかり冷やしましょう
    まずは水でぬらした柔らかいタオルを日焼け部分に当て、その後タオル越しに氷や保冷剤を当てます。
  • 日焼け部分を刺激しないようにしましょう
    日焼け=やけどを負っている状態なので、できるだけ刺激を避けましょう。
  • 熱いお風呂はやめてぬるめのシャワーにし、石鹸等は使わず汗を流す程度に、衣類も刺激の少ないものを選びましょう。
    日焼け直後の皮膚は刺激に対して敏感なため、水以外のものは皮膚を刺激するだけでなく感染の原因にもなるのでつけないようにしましょう。皮膚を保湿したい場合は、濡れタオルを当てることをお薦めします。
    赤みが落ち着いてきたら乾燥を防ぐため、乳液やクリームなどで水分と油分を補うようにしましょう。
  • 水分摂取を心がけましょう
    日焼け後の皮膚は、乾燥している上に表面の働きが低下し水分が奪われやすい状態にあるので、こまめに水分補給をしましょう。
  • しっかりと体を休めましょう
    休養をしっかりとることにより、細胞の修復がスムーズに行われます。