学科長挨拶

ユニバーサルデザインで社会を支える

スマホや自動車、医薬品、衣服、住宅等、私たちは非常に多くの製品を使用することで快適な生活を送ることができています。ただ、これらの製品が誰にとっても使いやすく、快適であるかといえば、必ずしもYesとはいえないでしょう。若い人には使いやすくても高齢者には使いにくかったり、障がいのある人は使えなかったり、慌てていると使い方を間違ってしまったり、使用者の特性や状況によっては使いにくい製品もあります。

現代の日本社会は急速に少子高齢化が進んでおり、様々な特性を持つ人々が各人の個性を生かして活躍できる社会を構築することが求められています。このような多様性社会においては、高度な機能を有しているだけではなく、誰にとっても使いやすい製品や快適に過ごすことができる生活環境のユニバーサルデザインを実現することが必須です。

人間環境デザイン工学科では、人体の構造や身体・感覚・心理等の特性、機械のしくみや材料の特性、生活環境とその快適性について深く学び、製品や生活環境を科学的な視点に基づいてデザインするための技術を身につけることができます。そのために、「人間科学」、「機械科学」、「住環境科学」、「ユニバーサルデザイン」という4分野の科目を体系的に学習し、それらを統合することによって、製品や生活環境のユニバーサルデザインを実践する力を養います。

ここで身につけた技術は、将来、皆さんが住居や公共スペース、機械やロボット、健康機器・福祉機器・オフィス用品等の様々な製品をデザインする技術者やコーディネーターとして活躍するための基盤となります。さらに、当学科のカリキュラムでは、指定された科目を学修して二級建築士受験資格を取得することも可能になっています。ユニバーサルデザインと住環境設計を融合して新規のデザインを提案することができるようになると、建築業界で活躍する上で大きな力となります。

皆さんにとって大切な人たちが将来も生き生きと活動できる社会を構築できるように、人間環境デザイン工学科で一緒に学んでいきましょう。

学科長

廣川 敬康
Noriyasu Hirokawa
人間環境デザイン工学科長/人間環境デザイン工学科 教授