このページの本文へ移動します。

設置の目的

分子遺伝学の急速な進展により、多くの疾患の病因が遺伝子レベルで解明されてきています。そのような遺伝子情報を医療の場で生かすには、患者・家族に対する遺伝カウンセリングが必須であり、また遺伝情報の漏洩、遺伝的差別、検査の強要 などが起こらないように、倫理的・法的・社会的諸問題にも対応できる体制や人材 を養成する必要があります。

わが国では、平成13年3月に告示された「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」(文部科学省、厚生労働省、経済産業省> の 三省合同の指針)では、研究を目的として行われる遺伝子検査については、被検者 に対し検査に関する十分な説明と遺伝カウンセリングを行い、検査は被検者の自発的な意思によって行われ、十分な倫理的配慮のもとに行われなければならないこと を定めています。また、平成16年12月に告示された「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」(厚生労働省)では、「遺伝情報を診療に活用する場合の取扱い」の項目を設け、「遺伝カウンセリングを実施する必要がある」と記載し、慎重な配慮を求めています。

わが国では遺伝カウンセリングは従来は医師が中心に行ってきました。しかし、 遺伝医学の知識だけでなく心理支援、倫理問題への対応など高度な専門的知識が必要とされるため、医師とは独立した専門職の遺伝カウンセラーが必要になりました。 そのため、遺伝カウンセラー認定制度委員会が発足し、委員会で制定した遺伝カウンセラー養成カリキュラムを採用した専門課程が認定遺伝カウンセラーの人材養成を行うことになりました。本課程は第一回の認定審査で養成校として認定を受けました。