教員紹介
- 瀬岡 直
- 准教授
所属 |
国際学部 国際学科 グローバル専攻 |
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学位 | 博士(法学)、LL.M.、修士(法学) |
専門 | 国際法 |
ジャンル | 法律/海外の法律・国際法 |
コメント | 国連安全保障理事会における常任理事国の拒否権問題について研究しています。とくに、重大な人権侵害が問題となるケースにおいて、拒否権行使はいかにあるべきかについて考察しています。 |
リサーチマップ | https://researchmap.jp/read0145682 |
自己紹介
大学2回生の時に、サマープログラムでアメリカの大学に短期留学し、国際関係に興味を持ちました。そして、3回生の時に参加した国際法ゼミの先生のお話から、国際法を学ぶ意義と重要性を痛感、その面白さと奥深さに触れるにいたりました。この先生との出会いが、国際法学の勉強に邁進するきっかけとなりました。
その後、研究者の道を歩む中で、ニューヨーク大学のロースクールに留学する機会も得ました。世界中から様々な学生が集うキャンパスで、ダイナミックな講義や活発な意見が飛び交うゼミを受講した貴重な経験は、およそ10年経った今でも、鮮明に脳裏に焼き付いており、国際法の研究を一歩ずつ進めていくうえでの拠り所になっています。
私の現在の研究テーマは、国際連合の安全保障理事会における常任理事国がいかなる場合に拒否権の行使・威嚇を控えるべきか、ということです。第2次世界大戦中に成立した国際連合が、グローバル化した21世紀の国際社会においてどのような役割を果たしうるか、を模索していきたいと思っています。
研究の合間には、散歩やスポーツを楽しんでいます。とくに小学校から高校までサッカーに没頭していたこともあって、趣味は、サッカー観戦。好きなチームはガンバ大阪。また、大学時代から桂米朝と桂吉朝の落語をよく聴いています。好きな演目は『かぜうどん』『世帯念仏』『軒づけ』。
学生へのメッセージ
グローバル化が進展する社会での活躍を目指して1年間の単身早期留学に果敢にチャレンジする皆さんは、一人一人が留学の目標をしっかりと持っていることと思います。英語での高いコミュニケーション能力や表現力を身につけたいと思っている人もいるでしょう。多様な文化や価値観に触れることによって自分なりの視点を確立するという高い志を持っている人もいることでしょう。国際法の一研究者としては、それらに加えて、国際社会で生起する矛盾に満ちた様々な問題を多面的かつ歴史的に読み解く力を身につけてもらいたいと思います。
留学中は、色々なことに好奇心を持ち、是非、自分の好きなこと、やりたいことを見つけて下さい。そして、帰国後は、仲間と切磋琢磨しながら、一歩ずつ自分の目標の実現に向かって邁進して下さい。
主要科目
国際法入門
国際組織法
国際人権法
国際法特論
ゼミ紹介
ゼミでは、尖閣諸島問題、捕鯨紛争、地球温暖化問題など、近年注目を集めている国際問題を国際法の観点から具体的に勉強します。また、国際連合の役割についても、常任理事国の拒否権、核不拡散問題、安保理改革などの具体的なテーマに沿って議論していきます。こうしたテーマに関するディスカッションやプレゼンテーションを通じて、自分の意見を筋道立てて分かりやすく述べる力を養うことも、このゼミの重要な目標のひとつです。
学歴/経歴
学歴
- 2008年8月 - 2009年5月
New York University School Law - 2002年4月 - 2006年3月
同志社大学大学院 法学研究科 - 2000年4月 - 2002年3月
同志社大学大学院 法学研究科 - 1996年4月 - 2000年3月
同志社大学 法学部
経歴
-
2019年4月 - 現在
近畿大学 国際学部 准教授 -
2014年4月 - 現在
同志社大学 法学部 嘱託講師 -
2018年4月 - 2019年3月
近畿大学 国際学部 国際学科 講師 Faculty of International Studies, Department of International Studies -
2016年4月 - 2018年3月
近畿大学 国際学部 国際学科 特任講師 -
2014年4月 - 2016年3月
大阪大学大学院国際公共政策研究科 日本学術振興会特別研究員PD -
2009年10月 - 2016年3月
大阪府立大学 経済学部 非常勤講師 -
2011年4月 - 2014年3月
同志社大学 法学部 任期付助教 -
2009年10月 - 2011年3月
奈良県立大学 地域創造学部 非常勤講師 -
2009年10月 - 2011年3月
同志社大学 法学部 嘱託講師 -
2006年4月 - 2008年3月
同志社大学 法学部 嘱託講師
研究活動情報
研究分野
- 人文・社会, 国際関係論
- 人文・社会, 国際法学
研究キーワード
強行規範, ジェノサイド条約, 国際的正統性, 体制転換, 政府承認, 安全保障理事会, 平和のための結集決議, 保護する責任, 拒否権, 人道的介入, 武力行使, 集団安全保障体制, 国際連合
論文
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ウクライナ情勢に関するロシアの拒否権行使の合法性
瀬岡直
国際法学会エキスパート・コメント No.2024-1 2024年1月 2024年1月 [査読有り] [招待有り] -
国際連合における拒否権の本質的制約:ウクライナ情勢におけるロシアの拒否権をめぐって
瀬岡直
日本国際連合学会編『地域安全保障と国連』(国連研究第24号)(国際書院、2023年) 103-130 2023年6月 [査読有り] -
強行規範に基づく拒否権の法的制限に関する一考察-J. Trahanの議論を中心にー
瀬岡直
Journal of International Studies 7 17-32 2022年6月
書籍等出版物
- 実証の国際法学の継承 , 瀬岡直 , 政府承認論の最近の展開-「シリア人民の正統な代表」としての「シリア国民連合」の意味合い , 政府承認論の最近の展開-「シリア人民の正統な代表」としての「シリア国民連合」の意味合い , 信山社 , 2019年12月
- Ekaterina Yahyaoui Krivenko ed, Human Rights and Power in Times of Globalisation , 瀬岡直 , The Gradual Normative Shift from ‘Veto as a Right’ to ‘Veto as a Responsibility’: The Suez Crisis, the Syrian Conflict, and UN Reform, pp.196-224. , The Gradual Normative Shift from ‘Veto as a Right’ to ‘Veto as a Responsibility’: The Suez Crisis, the Syrian Conflict, and UN Reform, pp.196-224. , BRILL / NIJHOFF , 2018年
- 国際連合における拒否権の意義と限界 : 成立からスエズ危機までの拒否権行使に関する批判的検討 (学術選書106) , 瀬岡 直 , 信山社 , 2013年1月
講演・口頭発表等
- The UN Security Council as an important actor to uphold human security objectives: The critical analysis of the legality and legitimacy of Russian vetoes in the Ukraine conflict , Nao Seoka , Academic Council on the United Nations System, the 2024 Annual Meeting, in University of Tokyo, Japan , 2024年6月21日
- 討論者として、次の2つの報告に対して、コメント・質問を行った。本吉祐樹(日本大学)「自衛権をめぐる議論の現状と課題——ロシアによるウクライ ナ侵攻を踏まえて——」 濱村仁(東京大学)「「安保理常任理事国の特権」による「核兵器国の特権」の防衛— —⼤国の地位の複数性と国際制度間関係の(不)調和——」 , 日本国際連合学会第25回研究大会 , 2024年6月9日
- 国際連合における拒否権の本質的制約 -ウクライナ情勢におけるロシアの拒否権行使をめぐって- , 瀬岡直 , 日本国際連合学会第23回研究大会 , 2022年6月11日
共同研究・競争的資金等の研究課題
- 日本学術振興会, 科研費(若手研究), 「保護する責任」と体制転換の緊張関係-既存政府の国際的正統性の観点から-
- 日本学術振興会, 特別研究員奨励費, 国際連合における拒否権の意義と限界-PKO及び重大な人権侵害の事例を中心に-
- 日米教育委員会, フルブライト奨学金(大学院留学プログラム), The Implications and Limitations of the Veto Power in the United Nations