キャリア
修了生のロールモデル
修了生
(医学研究科・医学系専攻 2026年 3月修了)
博士課程/博士後期課程へ進学したきっかけをお聞かせください。
脳神経内科は原因不明の難病が多い領域であり、日々の診療でも難題に戸惑うことも多いです。脳神経の病気といっても原因は様々で、免疫疾患、遺伝性疾患、変性疾患など多岐にわたりますが、そのなかでも変性疾患はまだ解明されていないことが多いのが現状です。個人的に以前から変性疾患に特に興味をもっていたこと、また、永井教授のご着任も自分にとって良いタイミングとなり、その病態解明の一端を担えたらと考え、大学院への進学を決めました。
現在のお勤め先について、どのようなお仕事をされているか、お聞かせください。
現在は臨床の場に戻り、脳神経内科医として病棟や外来で診療を行っています。
博士課程/博士後期課程で培った能力が、現在どのように活きているか、お聞かせください。
大学院ではマウスや試験管を用いて基礎研究を行っていました。同じ疾患に向き合うにも、臨床で患者さんに向き合う時とは少し異なる視点をもつ必要があると感じ、最初は戸惑いがありました。しかし、大学院の4年間で研究を進めるなかで、これまでとは違った側面から物事を見る目が養われたのではないかと感じています。また、基礎研究に携われたことで、疾患の基礎的な側面により興味をもち、より根本から深く考える癖がついたのではと感じています。
今後のご自身の目標や、博士課程/博士後期課程への進学を検討している方へのメッセージがあればお聞かせください。
大学院で学んだことや経験したことを礎に、今後も、一人一人の患者さんに向き合いながら丁寧な診療を続けていきたいです。
博士課程は新たな知見を広げる可能性のある素晴らしい機会だと思います。もしかしたら自身の研究により、現在の難病を、いつか治療できる病気にできるかもしれません。少しでも興味のある方は、ぜひ進学を検討してみてください。
修了生
(医学研究科・医学系専攻 2025年 3月修了)
博士課程/博士後期課程へ進学したきっかけをお聞かせください。
他大学の修士課程終了後、就職と進学で悩んでいた時に、指導教員である伊藤彰彦教授と出会い、進学することに決めました。
研究の楽しさを知っていたが、職業として研究ではやっていけないと思っていたので、臨床に出るべきと考えていました。しかし、伊藤教授とのディスカッションの中で、基礎医学研究の臨床への貢献、臨床から出てくる問いや研究者の存在意義について教わり、影響を受けました。同時に、わくわくする毎日を送っている大人を目の当たりにし、その道が魅力的に映ったのも正直なところです。臨床経験としても、博士課程の間は週に一日病院にて勤務させていただき、研究と臨床の両方を経験させていただくことが出来ました。
現在のお勤め先について、どのようなお仕事をされているか、お聞かせください。
近畿大学医学部の病理学教室で、助教として基礎研究を行っています。大学医学部に所属し、医師をはじめ検査技師など現場で働くコメディカルの方々とも日頃から密に連携することで、医療現場のニーズや未解決の課題を実感しています。そこから生ずる学問的問いを探求する傍ら、基礎研究で得られた知見を臨床現場に届けたいという思いが強くなり、現在は私達のグループが開発した新規病理診断技術の臨床実装事業にも取り組んでいます。
研究だけでなく、医学部の学生教育や大学院生の指導など、未来の医療や研究を担う人材の育成にも関わることが出来、日々やりがいを感じています。
博士課程/博士後期課程で培った能力が、現在どのように活きているか、お聞かせください。
博士号を取得するということは、自ら「問い」を立てられる能力を意味します。
修士・博士課程の6年間を通じて、問いを立て、仮説を検証するための方法を考え、得られた結果の妥当性を検証し、新たな知見を世界に発表するという経験を積み重ねてきました。一つ一つのプロセスを慎重に、論理的に組み立てて、精密に実行していくことで出来上がる一報の学術論文には 、関係する複数の研究者の膨大な思考と忍耐と努力が含まれています。そうして書き上げられた論文も、雑誌社に却下されたり、レビュアーによる厳しい査読によってさらにブラッシュアップされた後に、ようやく受理されたもののみが、世界に公開されます。こうした一連の経験で培った「論理的思考力」「実行力」「マネジメント力」「コミュニケーション力」などの総合力を以て、研究者として駆け出しではありますが、職業として研究活動に日々取り組んでいます。
今後のご自身の目標や、博士課程/博士後期課程への進学を検討している方へのメッセージがあればお聞かせください。
今後は、基礎研究で得られた新たな知見、研究シーズを、実際の臨床現場へ届ける活動にも積極的に取り組んでいきたいと考えております。患者さんはもちろん、医療従事者にも役立つ技術を、本当に役立てていただくところを目の当たりにしたいと強く望んでいます。
博士課程への進学に悩まれている学生さんは、恐らく研究が好きなのだと思います。研究を楽しいと思える感性は、きっと誰にでも備わったものではないと思います。長い人生の中で、博士課程に進学して過ごす時間はたった4年間です。本気で取り組めば、そこで得られる経験や知識、そして博士号はその後の人生に無意味なものにはなり得ません。私自身、進学をとても迷いましたが、現在までのプロセスを誇りに思っています。そしてもし、病理学に興味をもってくれたなら是非一緒に研究しましょう!