学部長挨拶

理学・農学・工学・医学を上手に融合させた学びの場で
独自のアイデアで未来を切り開く人材を育成

学校法人近畿大学は西日本に6キャンパス15学部を擁し、学生数3万4千人を超える総合大学です。私たちの生物理工学部(和歌山キャンパス)は、大阪府と和歌山県を隔てる和泉山脈の麓に位置します。また、阪和自動車道と京阪奈自動車道のインターチェンジの近くにあり、関西国際空港から30分圏内であることから、和歌山にあって大阪・東京などの大都市圏をはじめ、世界各国へのアクセスに比較的恵まれております。一方で、キャンパスのある地域は真義真言宗総本山である根来寺で知られる「ねごろ」の地であります。この語源は、歴史小説家の司馬遼太郎によると、「峰(ね)をほどよく下がった南陽(みなみび)をうける斜面」※とされている通り、温暖で美しい学びに適した環境が整っています。

さて、当学部は、理学・農学・工学・医学の力を応用し、地球環境・食・情報・医療・福祉などの領域に横断的に取り組むべく、2010年の学部改組により理学・農学系3学科と工学・医学系3学科に再編成されました。これら6学科の特徴は以下の通りです。

生物工学科:
人にとって有用な植物や微生物を開発するなど、食糧・エネルギー・環境・医療など幅広い領域で活かせる知識・技術を習得できる
遺伝子工学科:
ゲノムサイエンスからバイオメディカルまでを多角的・総合的な視点で遺伝子工学を研究し、社会で即戦力として活躍できる知識・技術を習得できる
食品工学科:
「食」に関する情報を科学的に評価・応用できる人材育成を目的として、「食」を取り巻く課題を解決するための知識・技術を習得できる
生命情報工学科:
生命科学や医療福祉の発展に貢献できる人材育成を目的として、プログラミング・信号解析・シミュレーション技術などの高度情報技術の知識・技術を習得できる
人間環境デザイン工学科:
二級建築士(国家資格)の受験資格の取得など、福祉・ユニバーサル社会実現のための人間生活技術にかかわる工学技術の知識・技術を習得できる
医用工学科:
臨床工学技士(臨床現場で医療機器の操作・保守・管理ができる国家資格)の養成課程であり、先端医療機器の操作から開発までの幅広い知識・技術を習得できる

このように生物理工学部は、私たちが生きていくために必要不可欠な学問分野である「生物」と「工学」を広く深く上手に融合させた教育研究の場であります。その進路は、大学院をはじめ製造業、サービス業、医療、運輸・通信業など多岐に渡ります。『実学教育と人格の陶冶(とうや)』を建学の精神とする近畿大学の大きなネットワークの中で学びを育むことにより、皆さんの未来は大きく開けます。近い将来、このキャンパスで皆さんとお会いできることを心から楽しみにしております。

  • 『街道を行く32 阿波紀行・紀ノ川流域』、朝日文庫(2009)

学部長

古薗 勉
TSUTOMU FURUZONO
近畿大学生物理工学部長/医用工学科 教授
専門分野:医用材料工学、人工臓器学、透析医学
学位:博士(工学)、博士(医学)

略歴

鹿児島県出身、昭和35年10月8日生
昭和59年 鹿児島大学農学部農学科卒業
昭和59年 同大学大学院農学研究科中退
昭和59年 医療法人サン・レオ会内科甲南クリニック 透析技術認定士(S63取得)
平成3年 医療法人白光会白石病院 臨床工学技士(H2取得)
平成8年 鹿児島大学大学院工学研究科博士課程修了
平成8年 米国ワシントン大学 客員研究員
平成9年 蚕糸・昆虫農業技術研究所 COE特別研究員
平成11年 無機材質研究所 NEDO提案公募研究員
平成12年 国立循環器病センター研究所生体工学部 研究室長
平成22年 近畿大学生物理工学部医用工学科 教授
平成28年 博士(医学)(大阪大学から授与)
(現在に至る)

所属学会等

日本人工臓器学会・日本バイオマテリアル学会・日本透析医学会・日本生体医工学会
日本医工学治療学会・日本在宅血液透析学会・アジア環太平洋人工臓器学会

学会等の主な委員

日本人工臓器学会 評議員
日本バイオマテリアル学会 評議員
日本在宅血液透析学会 評議員
日本次世代人工腎臓研究会 顧問
NPO法人 腎臓サポート協会 理事
腎臓病SDM推進協会 幹事
NPO 臨床器材研究所 相談役

主な研究テーマ

ナノ複合マテリアルによる医療デバイスの開発