学科長挨拶

人間は食料が無くては生きていくことはできません。従って、食料生産を担う農業は社会の根幹を支える最も重要な産業であると言えます。しかし、現代の日本農業は多くの課題に直面しています。高齢化と担い手不足、耕作放棄地の増加、気候変動による栽培環境の変化など、解決すべき問題が山積しています。「農学」とは、そうした課題に向き合い、科学的アプローチで解決策を探求し、国内外に向けて持続可能かつ先進的な農業のあり方を提示するための重要な学問分野です。
農業生産科学科では、これらの課題に取り組むため、幅広い農学の知識と実践力を培う教育プログラムを提供しています。1年次から3年次にかけて実施される実習では、農学の基礎となる作物生産を体験的に学び、講義で得た知識を深化させます。理論と実践の調和を図ることで、実社会で即戦力となる人材の育成を目指しています。さらに、学科を構成する7つの研究室では、それぞれの専門分野における尖った研究が展開されています。分子(Molecular)から市場(Market)まで、すなわち遺伝子やタンパク質などの分子レベルの研究から農産物の流通や農業経営といったマクロな領域まで、農学の全域をカバーしています。この幅広いアプローチにより、学生たちは自身の興味に応じて専門性を追求することができます。同時に、農業を多角的に捉える視点も養うことができるのです。農業生産科学科は、食と農の未来を切り拓く、知的探求の場です。

神崎 真哉 SHINYA KANZAKI 教授
神崎 真哉
SHINYA KANZAKI
教授