薬物治療学研究室
研究課題
- 脳活動操作による神経・精神疾患の制御
- 新しい非侵襲的脳刺激法の研究開発
- 自律神経系の操作による疾患制御法の研究開発
- 適切な行動選択の神経基盤
- 神経回路ダイナミクスの大規模シミュレーション
- がん転移機序の解明及び治療法の開発
研究室紹介
脳活動操作による神経・精神疾患の制御
てんかんやアルツハイマー病などの神経疾患、うつ病や依存症などの精神疾患は薬物抵抗性例が多く、その克服は社会的な課題です。我々は、これらの疾患を脳活動の障害であると捉え、時空間特異的な脳活動の操作によりその症状を制御する、新しい手法の開発に挑んでいます。
新しい非侵襲的脳刺激法の研究開発
効率的な脳活動操作のためには、脳実質への刺激電極の刺入が有効です。しかしながら深部電極の刺入には、脳出血や感染症のリスクが伴います。そのため動物実験において侵襲的な方法で新しい疾患制御法を見出しても、臨床研究に進むことは容易ではありません。そこで我々は、経頭蓋集束超音波照射や経頭蓋集束電気刺激など医工学技術の応用により、頭蓋の外から非侵襲的に脳活動を操作する方法を研究開発しています。
自律神経系の操作による疾患制御法の研究開発
自律神経系の活動を自在に操作する技術を応用し、心不全や不整脈などの循環器系疾患、てんかんやうつ病などの神経・精神疾患を制御する新しい手法の開発に取り組んでいます。
適切な行動選択の神経基盤
人や動物の行動は動機によって裏付けられますが、内的な欲求に従って単純に行動すると社会的あるいは経済的な不都合を生じるかもしれません。そのため我々は行動の結果を過去の経験に基づいて予測し、未来に渡って自己や集団の利益を最大化するように行動します。このような状況に応じた行動選択を可能にする神経回路のダイナミクスを解明します。
神経回路ダイナミクスの大規模シミュレーション
例えば脳刺激や薬物投与が神経回路のダイナミクスに与える影響に興味がある場合、最も直接的なアプローチは、生きた組織や動物からなるべく多くの神経細胞の活動を記録し、刺激や薬物投与を行う観察実験です。しかしながら実際に生体から同時に記録できる神経回路の範囲や細胞数には、明らかに限界があります。そこでプログラミングでコンピューターの中に数千~数万個の細胞からなる神経回路を構築し、脳刺激や薬物投与が神経回路のダイナミクスに与える影響をシミュレーションで検討しています。
がん転移機序の解明と抑制剤の開発
がん転移は、がん患者の予後不良の最大の原因として知られており、がん転移に対する新たな治療法を開発することが臨床上の重要な課題となっています。我々の研究室では、がん転移機序を解明し、がん転移を抑制する新たな治療法開発を目指して研究を進めています。