病態薬理学研究室

研究課題

生体内硫化水素(H2S)の分子機能と病態への関与についての研究
T型カルシウムチャネルを標的とした創薬研究
核内タンパクHMGB1を標的とした創薬研究
プロテアーゼ受容体PARを標的とした創薬研究
疼痛情報伝達の分子メカニズム解析と新規鎮痛薬の開発

研究室紹介

 当研究室では、火山や温泉近くで感じられる匂いの原因物質である硫化水素(H2S)が、 我々の体内でも産生されて生理機能を調節しているほか、過剰になると痛みを起こしたり、 いろんな病気の原因にもなることを明らかにしています。 私たちはこのH2Sが神経細胞や癌細胞に発現するT型カルシウムチャネルを活性化することを発見し、 現在はこのチャネルの阻害薬を検索して鎮痛薬や抗癌剤として利用するための検討を行っています。 また、マクロファージから分泌されるHMGB1 という核内タンパク、プロスタグランジン、 ビタミンC、proteinase-activated receptor (PAR)などの分子の生体内における新たな役割を解析し、 難治性の痛み、消化器疾患、癌などを中心とした各種疾患の治療薬の開発を、 製薬会社とも協力して精力的に進めています。 本研究室では、特定の生体内分子の各種臓器における機能を、 遺伝子、タンパク、細胞、組織、個体のあらゆるレベルで解析し、 その成果を実際の医療に直接応用することを目標に研究を行っています。