生化学研究室
研究課題
ほ乳類におけるタンパク質合成を制御する仕組みの研究
RNAウイルスが宿主のタンパク質合成機構を乗っ取る仕組みの研究
RNAを高分子マテリアルとしてとらえた「ものづくり」
研究室紹介
生化学研究室では、遺伝子発現の最終段階であるタンパク質合成が我々の体の中でどのように制御されているのかを、生化学・分子生物学の手法を駆使して解明することを目的とした研究を行っています。
一部のRNAウイルスは宿主のタンパク質合成機構を乗っ取り、自身のタンパク質を合成します。そこで、感染防御を最終目的とし、ウイルスがどのようにタンパク質合成を開始するのかに着目した研究を行っています。
一方、多目的バイオセンサーとしての人工核酸の創製も試みている。核酸のなかでも特にRNAは単に一次配列や配列相補性に依存して働くだけでなく、タンパク質同様個性ある立体構造を形成して機能するという特性を持つ。そして、この特性は高分子マテリアルとしてのRNAのポテンシャルを強く裏打ちしており、この特性を利用した「ものづくり」を行っている。
ほ乳類におけるタンパク質合成を制御する仕組みの研究
タンパク質の合成ではその開始を制御することが重要であり、シグナル伝達因子そしてmicroRNA(miRNA)などによって非常に巧妙に制御されています。我々は、このようなタンパク質合成を翻訳段階で巧妙に調節し、高次な生命現象を成立させているメカニズムを研究しています。
RNAウイルスが宿主のタンパク質合成機構を乗っ取る仕組みの研究
ポリオウイルスやC型肝炎ウイルスなど一部のRNAウイルスのタンパク質の設計図は特殊な暗号を持っており、宿主の翻訳制御機構を逃れます。我々はどのようにしてRNAウイルスのタンパク質合成が開始されるのかについて研究しています。
RNAを高分子マテリアルとしてとらえた「ものづくり」
RNA等の核酸は抗体より優れた認識能と高感度化が示された事例が既に報告されており、抗体が得られない標的へ対しても取得の可能性があること、またこれら分子は人工的に合成できることなどのメリットがあるため、検査・診断分野での次世代技術として活用が期待できます。我々はRNAを用いた新規診断薬の開発を試みています。