有機薬化学研究室
研究課題
インド、スリランカの伝承薬物から単離された強力な血糖効果作用を有する salacinol をモデルにした新たな糖尿病治療薬の開発
生体反応に深くかかわる calcium シグナルの調節作用を有する新奇糖脂質 acremomannolipinA の構造-活性相関研究
非天然型機能性分子人工生合成のための技術開発や合成生物学研究
抗炎症、抗ガン、抗肥満、美白、アンチエイジング作用を有する化合物の合成研究
研究室紹介
医薬品創製への6つのプロセス
- 伝承薬の近代科学的な解析結果をヒントにしたもの
- 優れた研究者の才能(ひらめき)と努力に負うところの大きい偶然の観察や発見
- ヒトの体の動的な仕組みや病態メカニズムの研究とその進展を基にした創薬への論理的なアプローチ
- 生物学的研究·ケミカルバイオロジー研究に利用できる新しい分子ツールや方法論の確立
- 非天然型機能性分子人工生合成のための技術開発や合成生物学研究
- 天然物生合成酵素の精密機能解析
以上のプロセスに従い、我々の研究室では、将来医薬品になる可能性のある新しい化合物の創製を目的とした合成研究を進めています。これまでに、研究課題1に関する研究の一環として現行の糖尿病治療薬(α-グルコシダーゼ阻害薬)より数十倍強力な作用をもつ化合物の創製に成功しました。
また、医薬品のみでなく、化学全般に関する相談が持ち込まれ、これが卒業研究テーマになる事もあり、有機化学の知識、手法を用いた“物作り”を全員が楽しんでいます。